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JOURNAL / 世界の食トレンド

England [London]ロンドンの人気店が集結!ウクライナを支援するチャリティベイクセール開催

2023.04.13

ロンドンの人気店がウクライナを支援するチャリティベイクセール

text by Yuka Hasegawa / photographs by #Cook For Ukraine(photo1), Yuka Hasegawa(photo2,3)

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1年以上が経つ。停戦の兆しが見えない中、ウクライナ内外で不安な生活を強いられている子供たちをサポートしようと、2023年3月、ロンドンでチャリティベイクセール「#Bake For Ukraine」が開催され、3時間で約1万ポンド(約163万円)を集めて話題になった。


会場となった「トクラス・ベーカリー」には、「ゲイルズ」「オットレンギ」「ヴァイオレット」「セント・ジョン」など、ロンドンを代表する錚々たるベーカリー&パティスリーがブースを連ねた。また一ツ星レストラン「ブラット」からは人気のバスクチーズケーキ、台湾ストリートフード店「バオ」からは特製包(バオ)なども販売され、食通のロンドナーを唸らす豪華ラインアップとなった。

カップカーキ

(写真)ウクライナの国旗、イエローとブルーをあしらったカップカーキは、ヘンリー王子とメーガン妃のウェディングケーキを担当した、東ロンドンのアルチザン・ベーカリー「ヴァイオレット」が提供(10ポンド/2個入り)。

主催したのはロシア出身、ウクライナ人の祖母を持つアリッサさんと、ウクライナ生まれのオーリアさん。共にロンドン在住の料理研究家であり、2022年2月、2人の心の拠り所であるウクライナが軍事攻撃を受け始めたことに心を痛め、チャリティ団体「#Cook For Ukraine」を立ち上げた。以来、ウクライナ料理をサーブするサパークラブを企画したり、ポップアップのチャリティセールを行うなど、“食”を通して、ウクライナへ寄付金を募る活動を精力的に行ってきた。

「『#Cook For Ukraine』は、私たちにとって祖国のためのパーソナルなプロジェクト。2022年4月に初めて『#Bake For Ukraine』を開催したのですが、再び行わなければならないことをとても残念に思います。でも多くの人々がセールに来てくれ、たくさんのお店が私たちの想いに賛同してくれたのは本当に嬉しい」と語るアリッサさん。集まった寄付金は100%、世界中で地域紛争に巻き込まれ、辛い生活を余儀なくされる人々をサポートするレガシー・オブ・ウォー財団に送るという。

ロンドンの食業界に携わる人々の結束が体現された同イベントは、チャリティの精神が根付く英国の懐の深さを物語っている。

(写真トップ)主催者のアリッサ・ティモスキナさん(写真左)とオーリア・ヘラクレスさん。2人はロンドンの大学で知り合い、お互い料理家として活躍。「#Cook For Ukraine」を創設し、その多岐に渡る精力的な活動から、2022年7月ロンドンで開催された「世界のベストレストラン50」で、栄えある「チャンピオン・オブ・チェンジ賞」を受賞している。

ロンドンで人気の「トラクス・ベーカリー」

(写真)テムズ川沿い、テンプルにあるロンドンで人気の「トラクス・ベーカリー」を会場に、20近いベーカリー、パティスリー、レストランがチャリティベイクセールに参加。慈善目的のラッフルくじ、バーではウクライナ産のプレミアムウォッカが振る舞われるなど、会場は終始賑わいを見せていた。



*1ポンド=163円(2023年3月時点)

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