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JOURNAL / 世界の食トレンド

France [Paris]

ケータリングで、ガストロノミーをレストランの外へ

2021.12.13

France [Paris] ケータリングで、ガストロノミーをレストランの外へ

text by Sakurako Uozumi / photograph by Naoko Oishi

凱旋門近くの「パージュ(PAGES)」は2014年に開店し、1年半後には一ツ星を獲得したフランス料理店。競争の激しいパリにおいて連日連夜満席の人気店だが、2021年9月からガストロノミックなケータリングサービスをスタートした。

「ガストロノミーをレストランの外に飛び立たせたい。席数の限られたレストランから、より多くの方々に僕らの料理を味わっていただけるシチュエーションを作っていきたい。そのためにチームを組んで、“レストランのないレストラン”を作りたいのです」とオーナーシェフの手島竜司氏は話す。

ビジネスモデルはBtoB。2人前のディナーから、パーティ、外交レセプション、イベントのコーディネートまでオーダーメイド方式で対応する。パリの西郊外に330平米のラボを構え、「パージュ」と同じ質の高い素材を使って様々なシーンに最適な料理を提供する。

ラボの責任者・松本恵伊知(けいいち)氏は、ケータリング界で業績を残してきた料理人だ。料理は、“UMAMI”を軸に和の技術を駆使したフィンガーフード、宮崎「尾崎牛」はじめ日本全国の厳選和牛を使った和牛スシなど、目にも鮮やかで食べ手に香りまで伝わるような料理を考案する。長引くコロナ苦境の中で知恵を絞って奮闘する彼らは、パリのケータリング業界に新風を吹き込むに違いない。

(写真)フィンガーフードの一例。プレート下段左から、「カニとイクラのタルト」「桜の木でスモークした自家製サーモンのミルクレープ」「貝柱とズッキーニの軍艦巻き」「お米のチュイルにスペイン産本マグロのラヴィゴットソースのせ」。上段左から、「栗カボチャとブルサンチーズのムース」「フォワグラのテリーヌとイチジクのコンポート、砕いたヘーゼルナッツとアーモンド&パタネグラのせ」「尾崎牛のタルタル、うずらのたまごのせ」「マグレ・ド・カナールのロースト」。



◎Kitchen Labo by PAGES
☎+33.(0)1.39.14.68.83
https://www.kitchen-labo.fr/

◎RESTAURANT PAGES
4 Rue Auguste Vacquerie, 75116 Paris
☎+33.(0)1.47.20.74.94
https://www.restaurantpages.fr/teshi.php?language=jp

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