JOURNAL / 世界の食トレンド

ガストロノミックなパイ包焼きにかぶりつく！若手料理人が手掛けるストリートフード

France [Paris]

2024.03.11

text by Yukino Kano / photographs by Salomé Rateau
（写真）ポワロー、エビ、エスペレット唐辛子が香るタラのファルスの海鮮トゥルト。バーガーのように両手で持ってかぶりつける。トゥルト各種 15.9～17.9 ユーロ。

高級バーガーなどグルメストリートフードが人気のパリに、新たな注目店が誕生した。トゥルト（パイ包み焼き）専門店「グルート（Groot）」だ。仕掛け人はテレビの大人気料理コンテスト番組の、2023年優勝者と参加者コンビ。揃って三ツ星レストランでの修業経験を持つ20代半ばの若者だ。

ジューシーな具材をフイユタージュ生地に包んで焼き上げるトゥルトは、火入れ加減が難しく、高度な技術を要する伝統的ガストロノミー料理の代表で、高級店の腕利きシェフらがスペシャリテにするレベルの料理。それをストリートフードで展開し、多くの人々に楽しんでもらうコンセプトだ。

（写真）直径13センチほどのトゥルトは食べ歩きにちょうど良いサイズ。店内にはイートイン席もいくつかあるが、テイクアウト中心。

カジュアルスタイルで提供するとはいえ、厳選した材料で丁寧に作り上げるトゥルトは、１日100個の限定。セロリの柑橘バターコンフィ・きのこソテー・燻製ニンニククリーム、とろとろジャガイモ・ラクレットチーズ・ヴァンジョーヌを香らせたオニオンコンポート、豚挽き肉・鶏胸肉・きのこソテー・キャベツなど、４種を提案する。サイドメニューには、カリフラワーのポタージュやバターナッツのローストなども。高級料理の魅力を気軽に味わえるスポットだ。