Italy [Roma]
三ツ星店で嗜む意外なメイド・イン・イタリー
2016.03.22
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「フレッシュさとデリケートさが、繊細な私の料理にぴったりなのです」。ローマの三ツ星レストラン「ラ・ペルゴラ」総料理長ハインツ・ベック氏が、タピオカと魚介を使った前菜“水の庭園”で黒い石を表現するのは、北イタリア産のキャビア。氏のお墨付きは、キャビア生産量の高いロシアやイランの商品ではなく、ブレーシャ県にあるアグロイッティカ社のブランド「カルヴィシウス」だ。
同社では6種類ものチョウザメを自社で養殖、品種ごとに商品化している。中には卵がとれるまで22年もの歳月がかかるサメも。工場では1匹1匹の腹部を超音波検査でチェックし、卵を取り出す成熟期を見極めてから採卵する。皮が軟らかく、パラパラとほぐれ、適度な食感を持つ粒だけを確保するためだ。
カルヴィシウスシリーズは鮮度と卵独特のコクを生かすべく、他社の商品より塩分が低いのが特徴(但し保存期間は短い)。同市にある二ツ星「オリヴァー・グロウウイッグ」、さらには高級寿司店でも、この知られざるイタリア産珍味が料理を一層華やかに引き立てている。
(『料理通信』2016年2月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Ristorante La Pergola
Via Alberto Cadlolo, 101, Roma
☎ +39-06-35091
www.romecavalieri.it/lapergola.php
◎ Agrottica
www.calvisius.ittext by Mika Hisatani
JOURNAL / 世界の食トレンド
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