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若者が都会に出ず、地元で伝統産業ビジネスを起業する動きが増えつつある。イタリア屈指のパスタ産地、ナポリ近郊グラニャーノ村の「イル・ムリーノ」もその一つ。1800年代には100軒以上の生産者が存在していたが、大手メーカーが市場に進出。 現在グラニャーノパスタ組合に存続するのは、わずか10社しかない。
この村に一石を投じたのが、全員30歳以下という6名と地元の教会だ。若者たちは大学卒業後も仕事がなくパスタメーカーを事業化する夢を抱いていたが資金はゼロ。あらゆる銀行に融資を依頼したものの門前払い。そこへグラニャーノ村サン・レオーネ教会の牧師が手を差し伸べ、10万ユーロを利子なしに融資し、小規模ながら念願のパスタ工房を開業させた。
「イル・ムリーノ」では国産硬質小麦のみを使用し、最新の設備による丁寧なパスタ作りが行われている。この今どき珍しい美談は多数のメディアに取り上げられ、売行きは好調。現ローマ法王も食したそうで、商品PRも向かうところ敵なしである。
(『料理通信』2017年11月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Il MULINO DI GRAGNANO
https://www.ilmulinodigragnano.ittext & photograph by Mika Hisatani
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