Italy[Vercelli]
メイド・イン・イタリーのSAKE誕生
2019.07.22
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ピエモンテ州の高品質米メーカー「リ・アイローニ」が、“SAKE”の生産を開始した。ペネロペという地元ヴェルチェッリ在来種の黒玄米を使い、日本酒を参考にしながら1年かけて開発したもので、その名も「ネロ(伊語で黒の意)」。
他の米に比べて約10倍のアントシアニンを含んでおり、液体の色が透明ではなく黒いのも、この品種の特徴からだ。「ネロ」は米を発酵して造るが、日本酒をそのまま真似るわけでなく、あくまで地元ピエモンテのリキュールをイメージしているという。発酵にはビール酵母を使い、さらには同地を代表するリキュール、ヴェルモットの香り付けに使う薬草を浸けた麦のアルコールを添加。
味わいは、飲み口に日本酒のような米ならではのまろやかさがあり、後味にはヴェルモットを思い起こす薬草や柑橘のアロマが残る。アルコール度数は17度と高めで、食中酒ではなくアペリティフやカクテル向けというのも頷ける。好奇心をくすぐるイタリアの“SAKE”は今年5月から販売される。
(『料理通信』2019年6月号/「ワールドトピックス」より)
◎ NERO SAKE DI VERCELLI
GLI AIRONI www.gliaironi.it
text by Mika Hisatani
JOURNAL / 世界の食トレンド
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