Norway [Oslo]
「もったいない」について考える学生食堂が大人気
2016.03.14
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国内の廃棄食品は毎年23万トン。買い物袋の5袋中1袋が無駄に捨てられる(食団体マートヴェット調べ)。廃棄者の65%は消費者だ。そんな中、オスロ大学のエコな食堂「クット・グルメ」が、未来の飲食店モデルとして話題となっている。
“グルメをやめよう”という意味を持つこの食堂は、賞味期限間近の廃棄予定食材を飲食店から提供してもらい、料理人が知恵を働かせ、パスタやピザなどを日替わりで提供。通常価格の1/3程で購入でき、金銭的に余裕のない学生の強い味方だ。2015年4月の試験運用では、限定200皿が連日即完売。3週間限定の食堂は大成功を収めた。
「考えることがたくさんある学生は、選択肢の多いメニューを望んでおらず1種類で満足」「若者はサステイナブルな貢献をしたがっている」ということも判明したと、責任者のクリステンセン氏は語る。食堂は、2015年9月に通常営業として再オープン。学生機関SiOによると、今後は他大学でも展開し、未来を担う若者に食品ロスについて考えてもらうきっかけを広めていくという。
(『料理通信』2016年2月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Kutt Gourmet
Universitetet i Oslo, Blindern Campus, Problemveien 11, 0313 Oslo
12:00~14:00(火~金曜)
※毎日200皿限定。メニューは日替わりで1種類のみ
(25~35ノルウェークローネ)
text by Asaki Abumi / photograph by Hanne E. Holst /SiO
JOURNAL / 世界の食トレンド
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