Norway [Oslo]
肉中心の国で「野菜」という選択肢を
2016.07.30
-
2016年2月、オスロ市庁舎の食堂で「ミートフリーマンデー」という改革が起きた。毎週月曜日は、肉や魚を一切使わない菜食メニューが提供される。目的は、肉や魚の生産過程で発生する排気ガスにおける環境政策。今後は老人ホームや学校など、市内49カ所の公共経営の食堂や台所へと拡大予定だ。
反対勢力は「何を食べるかは国民が自由に決めること」と、先導者である「緑の環境党」を批判。市議会・環境局の秘書アーニャ・バッケン・リーセ氏(同党)は「政治はすでに様々な形で食生活を管理している」と反論する。「この国では肉製品が減税される一方、オーガニック食材の価格が高い。肉の消費率が高すぎるという声がありながら、十分に議論されてこなかった。すでに菜食生活はトレンドではあるが、政治家がポジティブなロールモデルとなることが、流れを後押しする」。
オスロの影響を受けて、他都市の市庁舎でも今後導入を検討予定。菜食主義者が暮らしやすい国作りに向けて、一歩踏み出した。
(『料理通信』2016年6月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Kantine Oslo Rådhus
Rådhusplassen 1, 0037 Oslo
☎ +47-23461663
12:30~13:30(一般訪問者向けの営業時間)
祝日、7月第3週目~8月第1週目休
text & photograph by Asaki Abumi
JOURNAL / 世界の食トレンド
JOURNAL / 世界の食トレンド