HOME 〉

JOURNAL / 世界の食トレンド

Norway [Oslo] 海藻で作る食品パッケージで、脱プラスチックを目指せ!

Nov 21, 2022

text by Asaki Abumi / photographs by B’ZEOS

2022年9月、ノルウェー最大級のスタートアップ・科学・起業の祭典「オスロ・イノベーション・ウィーク」が開催された。300以上のビジネスリーダー、投資家、政治家などが集結し、エコシステムを主要テーマに60以上のイベントが開かれた。

注目イベントのひとつは、ノルウェーのスタートアップ100社が、3分という短いプレゼンと5分の質疑応答でアイデアを発表・競い合う「100 Pitches」。その中でビーゼオス(B’ZEOS)社は海藻を材料としたバイオベースの食品パッケージ開発を紹介した。

海藻の大ファンだというグイ・マウリスCEOと彼のチームは、プラスチック代用品として海藻で作ったコンポスト可能なパッケージの開発をしようと、2018年にビーゼオス社を創設。現在はノルウェー・スイス・スペインを拠点に国際色豊かなチームとなり、2019年からはネスレ社をはじめとする飲食業界との共同開発で海藻パッケージを広めている。同社の海藻パッケージ1トンから排出されるCO2は、非バイオパッケージが排出する量より5トン削減できるという。

従来のプラスチック包装と海藻素材の包装に違いはあるかとの問いには「イエスであり、ノー」。
「海藻パッケージは60日以内に自宅でコンポスト可能で、湿度に敏感で壊れやすい。これからのパッケージ解決策として、海藻は最高のバイオマスと言えます。特定の食品の貯蔵寿命を長持ちさせることも可能です」

海藻の未来を氏はこう話す。
「私たちは海藻をあまりにも長い間放置してきました。適切に管理されていれば、海藻は明らかに、CO2排出などの多くの環境問題に対する解決策であり、すばらしい可能性を秘めています」

ビーゼオス社の海藻パッケージというアイデアは、最初は懐疑的に見られたが、今ではこの解決策に関心を持つ企業やスタートアップが増えたそうだ。

海藻は、北欧ではやっと食品として広がり始めたばかり。食べるだけではなく、包装にもなりえるという海藻の未知数。その秘めたる可能性は、新しい技術と発想を生み出すスタートアップ市場と相性がいいのかもしれない。


(写真)ビーゼオス社のフィルムは100%バイオベースでホームコンポスト可能。乾燥または油分の多い製品の包装に適している。現在は主にEUや南米市場で入手した海藻抽出物を使用しているが、B’ZEOS社はバイオ素材を作る世界初のプロジェクト「PlastiSea」に参加したことで、多くのサプライチェーン、研究機関、政府と連携して、世界中から海藻を入手・抽出が可能となった。

(写真2枚目)果物、野菜、ベーカリー製品など生鮮食品のための包装。フィルムの透湿性が高いため、水分を放出して腐敗を防ぎ、食品の貯蔵寿命を延ばすことができる。



*1ユーロ=147円(2022年10月時点)

料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。