Spain[Segovia]
イベリコ豚の“いとこ”「マンガリッツァ種」とは
2016.09.30
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生ハムの最高峰と言われるイベリコ豚のベジョータ(ドングリだけで生育した種)。その深い味わいにファンは多いが、お値段は最高級。特別な時にしか食べないというのが、スペインでも通常だ。
そんな中、日常使いでかつ質の高いハムをと90年代から別品種でのハムの可能性を研究し続けているのが、 セゴビア県のハム専門会社モンテネバド社だ。同社はハンガリーで160頭しか残っていなかった 「マンガリッツァ種」に 出会い、繁殖に成功。
「マンガリッツァ種」は 地中海品種の仲間で血統としてはイベリコ豚の従兄弟にあたる。イベリコ豚より大型で、厳寒の冬を乗り越えるべく、身体は小さな巻き毛に覆われている。血中のヘモグロビンが十分に増える1歳半ぐらいまで現地で生育し、熟成はセゴビアの気候を最大限に利用した熟成蔵で行う。滑らかな肉質は、 ベジョータ種に勝るとも劣らない。
国内ではすでに流通している製品だが、近年ヨーロッパ、アメリカへの輸出が拡大しているという。ハムの世界の幅広さを実感させてくれる商品だ。
(『料理通信』2016年8月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Monte Nevado (Jamones Segovia. S.A)
Calle San Ignacio, 6, 40270, Carbonero, el Mayor, Segovia,
☎ +39-921-560-030
comercial@montenevado.com
www.montenevado.com
text by Yuki Kobayashi
JOURNAL / 世界の食トレンド
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