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ストックホルム市内ユールゴーデン島にある「スプリートミュージアム」は、その名の通りアルコールの博物館だ。ジャガイモから造られるシュナップスやウォッカはもちろん、最近ではクラフトジンや国産ワインがじわじわと頭角を表しているスウェーデン。
博物館では国産アルコール飲料の歴史を元に、その変遷と職人気質の造り手による製品の目覚ましい発展を紹介している。今春~秋に取り上げたのは“シードル”。古くからスウェーデンでも造られてきた酒だが、シュナップスのような伝統はない。フランスのように厳しい規制もなく、リンゴやナシに限らずなんらかの果実を20%使っていればよしという大らかさ。
本企画では自社畑を持つまでに至った南部の醸造家「フルクトステレオ」を始め、少数の小規模クラフトシードル醸造家に焦点を当て、彼らの働きを通して品質の高さをアピールし、さらなるシードルの普及・浸透を目指した。コロナ禍中でも唯一開館していた博物館、自国製品を見つめ直すいい機会となった。
(『料理通信』2020年11・12月合併号/「ワールドトピックス」より)
◎ Spritmuseum
Djurgårdsvägen 38-40, 115 21 Stockholm
☎+46-(0)8-1213-1300
シードルの企画展は11月1日まで
https://spritmuseum.se
text & photograph by Sakiko Jin
JOURNAL / 世界の食トレンド
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