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JOURNAL / 世界の食トレンド

Sweden [Bohuslän]

海藻はスーパーベジタブル! 2人の海洋学者が立ち上げた海藻ビジネス

2022.08.12

text by Sakiko Jin / photographs by Scandinavian Seaweed Company(photo1), Sakiko Jin(photo2, photo3)

近年、スウェーデンでは海藻が人気だ。以前は海藻を食する文化が皆無に等しかったが、地の野菜よりも数倍のミネラルとビタミンを含んでいることから、今では海藻はスーパーベジタブルとも呼ばれ、注目度が高まっている。

「スカンジナビアン・シーウィード・カンパニー(Scandinavian Seaweed Company)」は、海洋生物学者でありプロのダイバーでもあるカテリーナ・ベングツソン・キュプキックとヨハン・ベングツソンの2人が営む海藻会社。乾燥させた海藻や燻製海藻のふりかけ、昆布オイルなどをウェブサイトで販売する他、海藻を使った料理教室や小島を訪れて海藻について学ぶ「海藻サファリ」や、企業や料理人、大学向けに海藻のコンサルタントも行っている。

スウェーデンには約1万種の海藻があるが、毒素を含むものはなく、組織や光合成色により3つのカテゴリー(赤・緑・茶色)に分けられる。「海藻は海から直に栄養素を吸収するので、クリーンな海水であることが重要」と語るカテリーナとヨハン。海藻はスウェーデン、デンマーク、ノルウェーに囲まれたスカゲラク海峡沿岸で採取し、レストランなどにも卸している。

また、西海岸の小島にある元灯台のホテル「パーテル・ノステル(PATER NOSTER)」では、料理長も務めるヨハンが考案した海藻を使ったスナックや前菜が楽しめる。自由な発想から生まれた海藻料理には驚かされるばかりだが、そのおいしさにも目を見張るものがあり、海藻の新たな一面に触れることができる。

(写真トップ)共同経営者のカテリーナ・ベングツソン・キュプキック。スウェーデン政府とも協力し、今後、スウェーデンの食で海藻がどれほど大事な役割を担うか考えているという。


「パーテル・ノステル」で供される海藻類の前菜。素揚げしたアオサ属のボウアオノリ(上)、ヒバマタ属の海藻とゴマのチップス(右)、コンブペーストのカナッペ(左)。素揚げしたボウアオノリは、口に入れた瞬間に儚く消え、海藻の旨味を飲み込んでいるかのよう。コンブで作ったペーストも、海藻の旨味を西洋のテイストでまとめ上げ、日本人が持つコンブのイメージを一新する。

海藻類を紹介するヨハン・ベングツソン。海藻が持つポテンシャルを教えるだけでなく、環境に配慮した採取の仕方や活用方法なども指導している。



◎SCANDSEA
SEAWEED FLAKES 129スウェーデンクローナ
https://www.scandsea.se

*1スウェーデンクローナ=13円(2022年7月時点)

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