タイの最新FOOD事情 vol.3
「アジアのベストレストラン50」ランキング店訪問
~「ISSAYA SIAMESE CLUB」篇~
2016.07.22
タイの最新FOOD事情
vol.3 「アジアのベストレストラン50」ランキング店訪問
~「ISSAYA SIAMESE CLUB」 篇~
Jul. 22, 2016
タイの食事情を探る第3回目。バンコク市内の「ISSAYA SIAMESE CLUB」を訪ねた。
オープン自体は2011年と歴史は浅いが、2016年アジアのベストレストラン50で19位にランクインし、すでに支持を盤石なものとしている正真正銘のタイ料理の実力店だ。タイで絶大な人気を誇るテレビ番組「アイアンシェフ」に出演したイアン・キティチャイシェフがプロデュースした店としても広く知られている。「ISSAYA」とは、タイ語で「雨季」を意味し、オープンした2011年の雨季に起こった大洪水に因んで「ISSAYA」と名付けたのだそうだ。
ISSAYAの料理を一言でいうとタイ・フュージョン。伝統のタイ料理に、イアンシェフが+αの工夫をし魅力的な料理に仕上げている。世界的なヘルシー志向を背景にしたときに、タイ料理は「辛い」、「脂っぽい」などマイナスの印象をもたれる場合があるが、世界の人々に幅広くおいしく味わっていただくために、そんなマイナスイメージを払しょくするべくさまざまなアレンジを加え供している。
また、タイでは食中にビールが飲まれることが多いが、ISSAYAではワインにあう料理をこころがけているそうだ。
この日、シェフ厳選の4品を味わうことができた。
アジアのベストレストラン50にランクイン
「ISSAYA SIAMESE CLUB」の料理
食材は全幅の信頼を置いている国内外のサプライヤーから、ハイクオリティのものを取り寄せている。たとえば野菜やハーブは敷地内の畑でも作っておりできるだけそれを使っているという。安全、安心への意識の表れだろう。またサーモンは高品質で知られるスコットランド産を使用している。
ISSAYAは、1912年に建てられた築100年を超える民家を改装、インテリアデザインはフランスの影響を受けたデンマーク人スタッフが担当。古民家ならではの独特のヴィンテージ感とハイセンスでカラフルな内装デザインが化学反応を起こし、あたかもセンスのいい友人の家に来たかのような居心地のよさがある。
イアンシェフとともにオーナーを務めるフランス人フェデリック氏が音楽制作会社出身で、店内音楽に力を入れているという。また、ISSAYAを語るうえで、特筆すべきは、料理をお客に供する直前に目の前で調理プレゼンテーションをすることだ。日本でも、升にグラスを入れ目の前で日本酒をこぼれるまで注いでくれたり、シーザーサラダにストップというまでスタッフがパルメザンチーズを削り続けてくれたり、といろいろスタイルはあるが、料理を出す直前のプレゼンテーションは、やはり正直、心が躍ってしまう。この上ないエンターテインメントだ。
ISSAYAのマネージャーを務めるアジットバンソーさんが、「飲食店はコンセプトづくりが重要だ」と語っていたが、料理だけでなく、「ISSAYA SIAMESE CLUB」をトータルで愉しんでもらうために、空間、音楽、エンターテインメントの視点で明確に力を入れているように見えた。
ISSAYAはパーティーなど特別な日に使用されることが多いのだという。日本人のお客も多くタイ駐在員の家族などが常連になっているという。食、空間、サービス、エンターテインメント。大事な誰かを連れてきたい店としてこれからも当分愛され続けるだろう。
SHOP DATA
◎「ISSAYA SIAMESE CLUB」
4 Soi Sri Aksorn, Chua Ploeng Road, Sathorn, Bangkok 10120
☎ +66 2 672 9040