栗原友さんのSURIMIつまみで発見する!
アラスカ産シーフードの可能性
2018.03.28
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text by Mieko Sueyoshi / photographs by Hiroyuki Tomimori
2月24日(土)、東京・浅草花やしき門前に構える料理家・栗原友さんプロデュースの酒場「夜のさわぎ」において、アラスカ産シーフードの魅力に触れるMEETUPを開催しました。
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私たち日本人が慣れ親しんだちくわやかまぼこなど、水産練り製品の原料、すり身。そのすり身の原料の多くを占めるのがアラスカ産シーフードです。
今回は、酒場の達人であり、魚の達人である料理家・栗原友さんによるSURIMIつまみのプチデモンストレーションとミニハッピーアワーを楽しみながら、アラスカ産シーフードの魅力を知り、学ぶMEETUPとなりました。
▼クリトモ×アラスカ産シーフード 酒場で光る!SURIMIつまみの極意とは?
https://r-tsushin.com/feature/movement/asmi_kuritomo.html
当日は、雑誌『料理通信』、WEB『The Cuisine Press』読者の中から、料理人やすし職人、食品会社の商品開発担当から保育園の栄養士まで、幅広い「食のプロ」の皆さんが集いました。
日本と近しい、米国最大規模の漁業地「アラスカ」
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米国最大規模の漁業で知られるアラスカ州。北米最高峰のデナリ山を控え、野生動物が多く生息し、クマの数はヒト20人に1頭の割合とか(!)。米国では一番日本に近く、50年前からタラ、サケマス、カニ、魚卵、白子などが日本に運ばれてきました。
「州憲法によりしっかりと資源管理された、サステイナブル漁業を実践しています」とアラスカシーフードマーケティング協会の佐々木慶子さんと古山友子さん。生態系にダメージをあたえることなく、水産資源を現在の水産業に活用しながらも将来にわたってその漁業を存続させることがコンセプト。資源の乱獲による環境破壊の危険性が叫ばれる中、時代に呼応した地球に優しい漁業のかたちです。
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アラスカ州海域に生息するスケソウダラの量(緑)のうち、専門家の調査により「環境の維持が持続可能な漁獲上限量」(オレンジ)を割り出し、実際の漁獲量(青)が上回らないように調整している。
そしてこの日は、遠くアラスカから特別ゲストが緊急参加!アラスカ スケソウダラ生産者協会のパット・シャナハンさんです。「サステイナブルな漁業を実践しているスケソウダラは、高タンパク、オメガ3脂肪酸の含有量も多く、健康機能性にも長けた魚です」とパットさんは言います。かまぼこを始めとする水産練り製品の主原料にもなるなど、古くから日本の食文化とも密接なんだそうです。
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アラスカ スケソウダラ生産者協会 プログラムディレクター、パット・シャナハンさん。このMEETUPのために、アラスカからはるばる来日!
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プレゼンテーションを聞き入る食のプロたちのまなざしは真剣そのものです。
いよいよ、栗原友さんが登場!
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栗原友(くりはらとも)さん
料理家。アパレル会社のPR等を経て2005年より料理家に。その傍ら築地「斎藤水産」で4年修業。酒場好きとしても知られ、2017年8月、浅草花やしきに「夜のさわぎ」をプロデュース。
いよいよ栗原友さんの登場です。酒場のプロであり、築地市場で修業経験のある魚のプロでもある栗原さん。「『夜のさわぎ』は、酒場好きの私の「こんなのが食べたい!」を詰め込んだ、呑み手に嬉しい酒場です」。看板の「大根おろしサワー」や「クリトモハイ」を手に、さっそく全員で乾杯!
「肉、野菜、ときどき魚」だった栗原さんが、魚に目覚めるきっかけとなったのが築地「斎藤水産」での4年に及ぶアルバイト。目利きや調理法など、豊富な知識を習得するとともに、自他ともに認める魚好きへと変身。
3歳になるお子さんも大の魚好きに育っているそうです。
築地での修業時代、すり身も自分で作っていたという栗原さんは、「すり身に卵白を混ぜてさつま揚げにしたり、稲庭うどんの汁にすり身団子と新ワカメを入れたり。すり身を使うと出汁がよく出るので重宝します」。
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栗原さんが築地市場での修業時代、賄いで食べたうどん。「具のさつま揚げからいい出汁が出ているんです。水産練り製品はうどんつゆを一層おいしくしてくれる事を発見しました」。
実演1 カニカマの色と香り、塩気を活かした「カニカマの春巻き」
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「カニカマの春巻き」
揚げたてを酢醤油と和辛子で。他に酢コショウにつけるバージョンも紹介。酢に黒コショウを挽き入れるだけ、ピリ辛の刺激との好相性に驚きます。
いよいよ、栗原さんによるプチデモンストレーションが始まりました。SURIMIつまみ2品を実演まじえ教えていただきます。1品目は「カニカマの春巻き」を披露。「ぴっちり巻くのと緩く巻くのと、どちらでもお好みで。私はふわっと余白を出して緩く巻く方が好きです」。
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一緒に巻くのはニンジン、長ネギ、搾菜。「ニンジンと長ネギの甘味、搾菜の旨味と塩気があるので、調味料は入れません」。
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トークを交えたプチデモンストレーションは大好評。参加者も満面の笑みです。「他におすすめのカニカマレシピは?」との問いに「茹でキャベツと和えてもおいしいです」と答えつつ、「でも、揚げ物好きなので…」と栗原さん。
実演2 極意は柚子づかい! 「笹かまの酢のもの」
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「笹かまの酢のもの」
「普通のかまぼこでもできますが、笹かまの方が香ばしく仕上がります」と栗原さん。柚子がしっかり効いて、箸休めにぴったり。
2品目は、「笹かまの酢のもの」。栗原さんがこの日のために考案したSURIMIつまみレシピです。「笹かまに塩気があるので、食べる直前に酢をかけて和えるだけです。お酒を飲んでいるときのつまみは手軽で簡単がキモですから」。もやしは水気をしっかりと絞ります。
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柚子の皮はたっぷり刻み入れます。「白いワタには苦味があるので、なるべく削いでやって黄色い表皮だけを使います」。
◎「笹かまの酢のもの」レシピ
[材料(4皿分)]
笹かま……4枚
モヤシ……1袋
キュウリ……1/2本
ショウガ(せん切り)……2片
柚子の皮(せん切り)……適量
酢……大さじ2
塩……少量
[作り方]
1.キュウリ、笹かまを斜めに千切りにする。
2. モヤシをさっと1分ほど湯がき、冷水で粗熱を取り、水気をよく切る。
3. 1、2、残りの材料を混ぜ合わせる。
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「笹かまぼこの明太マヨ挟み揚げ」
薄く開いた笹かまぼこに大葉、チーズ、明太マヨネーズを挟み、天ぷら衣をつけて揚げる。大葉の香り、メリハリのある味でお酒が進みます。「冷めてもカリッとしているので、お弁当に入れても」。
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「ちくわとキュウリの炒飯」
香ばしく炒めたちくわの旨味にキュウリと赤柴漬けの味と食感が重なり合う。コツはキュウリの種を取り除くこと。「ちょっと面倒ですが、これで炒飯が水っぽくなるのを防げるし、柴漬けのパリパリ感ともよく合います」。
旨味があって、アレンジしやすい水産練り製品。プチデモンストレーションで披露された2品を含めて、当日ご紹介した4品は、自宅でのおつまみ作りや、仕事にもすぐに活かせそうなものばかりで、食のプロである参加者の皆さんも大満足の様子でした。
▼「カニカマの春巻き」、「笹かまぼこの明太マヨ挟み揚げ」、「ちくわとキュウリの炒飯」のレシピはこちら
https://r-tsushin.com/feature/movement/asmi_kuritomo.html
いよいよ、ミニハッピーアワーがスタート!参加者の会話も弾みます
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「クリトモハイ」(左)はキンミヤ焼酎の豆乳割り。「甘みを抑えたミルクセーキみたいで飲みやすい」と女性参加者に好評でした。「大根おろしサワー」(右)はおろしポン酢入りでさっぱり。
プチデモンストレーションのあとは、「夜のさわぎ」オリジナルレシピのサワーを飲みながら、SURIMIつまみを味わうミニハッピーアワーがスタート。練り製品自体に甘味や旨味、塩味があるので、お酒も実によく進み、大いに盛り上がりました。
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参加者からは、
「カニカマと他の材料の組み合わせがおもしろい(特にザ―サイ)」(食品製造業)
「さっぱりしていながら旨みが感じられた。練り物がだしとして有能であることを改めて感じた」(仲卸業)
などの声が挙がり、SURIMIつまみの味わいに少なからず刺激を受けた様子。
また、
「(水産練り製品の)簡単メニューを保護者にお伝えしていきたい」(栄養士)
など、この味わいをそれぞれの仕事に活かしていきたいという意欲的なコメントも寄せられました。
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今回の参加者は皆、食のプロ。初対面でもお互いに会話も弾みます。
時代に呼応する食材、アラスカ産シーフード
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熱心な参加者の意見に耳を傾けるパット・シャナハンさん。
「日本では、まだあまり意識されていませんが、アラスカでは地球の未来を見据えた取り組みとして、サステイナブルなシーフードをこのように供給していることを知り、とても勉強になりました」と栗原さん。水産練り製品の主原料ともなる、アラスカ産シーフードはまさに、地球が要請する食材といえるでしょう。
「食に関わる仕事をしている以上、生態系を守ることは大切。アラスカは実践しており素晴らしいと思った」(食品製造業)
未来を見据えたアラスカのサステイナブルな漁業の取り組みは、食のプロである参加者も刺激したようでした。今後、様々な食のジャンルから注目を集めていきそうです。
【アラスカシーフードに関するお問い合わせ】
アラスカシーフードマーケティング協会 日本事務所
☎ 03-3225-0089
http://japanese.alaskaseafood.org/