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PEOPLE / 料理人・パン職人・菓子職人

1980年以降生まれ 注目の若手シェフ

東京・西荻窪「トラットリア29(ヴェンティノーヴェ)」竹内悠介 Yusuke Takeuchi

2018.06.21

『料理通信』2018年7月号取材時点


近年、急速にボーダレス化する食の世界。国を超えて働く先を選ぶことはもちろん、ジャンル、食材、また店間の垣根を越えて、互いの哲学や素材へのアプローチに刺激を受ける1980年代以降生まれのシェフたちが増えています。資源の枯渇や高齢化社会、深刻な人材不足など、食を取り巻く課題が溢れる中、アイデアとテクニックを武器に生き抜く、新世代の料理人たちの発想はどのように生まれるのでしょうか。これからの食の世界のキーパーソンに、未来を切り拓く仕事術を一問一答で伺いました。



歓声があがる瞬間を演出したい

Q1 : 食べ手の心を動かすアイデアとテクニックを、どう身につけてきたか?
A1 : 料理だけでなく何か一つ専門的な知識と技術が必要と思いチェッキーニへ。

Q2 : 世界で働く際に、必要な資質。日本人(自分)の強みはどこにある?
A2 : アッピアの5 年間で基礎が身に付いていたことにイタリアで気づいた。イタリア人の倍くらい動けたので、やらせてもらえる仕事がどんどん広がった。

Q3 : 今、世界とどう繋がっている? 気になる世界の料理トレンドや料理人
A3 : 世界と日本と自分の店の立ち位置を掴んでおくためSNS でアンテナに引っかかる店をフォロー。勝手に興味の近い人が繋がっていくぶん、新しさを生みにくい時代とも感じます。A5 ダリオ・チェッキーニ、両親。

Q4 : 尊敬する人とその理由(食の世界に限らず)
A4 : ダリオ・チェッキーニ、両親。

Q5 : 個性を打ち出すために店づくりで工夫したポイント
A5 : 店名含め「肉とトスカーナ」を打ち出す。長屋だけど建築士に頼んだモダンな空間というギャップ。

Q6 : スペシャリテについて。料理でもっとも大切にしていることは?
Q7 : 料理人として、これからどう生きていきたいか?
A6, A7 : 「肉屋の技術を学びたい」と入ったチェッキーニで学んだのは、オーナーのダリオの「人を喜ばせたい」という情熱。ランチとディナーは1日2 回の「ダリオ劇場」のごとく、スタッフ一丸となってお客さんを盛り上げる。その姿を見ているうちに「肉をおいしく焼きたい」に加え「盛り上がりを作りたい」という気持ちが強くなりました。独立して7 年、どんな接客、プレゼンテーションだと歓声があがるか、マダムとスタッフと試行錯誤してようやく少しわかってきたところ。肉の盛り合わせは「肉を食べたい」というプリミティブな欲求を想像以上に満たすビジュアルで定番になりつつあります。

photographs by Daisuke Nakajima





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