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PEOPLE / シェフ名鑑(アーカイブ)

「レストランをスリム化する」

メッシタ 鈴木 美樹 Miki Suzuki

Oct 01, 2014

text by Naoko Ikawa / photographs by Tsunenori Yamashita

1974年12月29日生 / 東京都出身 / O型
19歳で料理人を志し、都内イタリア料理店の厨房aに入る。98年から渡伊しICIFに参加。ピエモンテ、プーリアで計14カ月研修し帰国。「ラ・ゴーラ」(2年半)に勤めた後、01年、再渡伊。フリウリ、ロンバルディア、トスカーナ、シチリアのリストランテで3年半修業を積む。帰国後、04年より「リストランテ アモーレ」(7年)に勤める。10年9月に退職して渡伊、3カ月で120軒を食べ歩き、帰国。11年に「メッシタ」オープン。

FAVORITE
音楽 : R&B
映画 : 『バグダッド・カフェ』


豚ボール

1000円/ 1皿

伊語で「ポルペッティーネ」だが記憶に残る直球ネーミング。粗くミンチにした佐賀・酵素豚のバラ肉を卵でつなぎ、パルミジャーノでコクを、クレソンの茎で食感を出す。丸めて焼いたミンチ肉をホール+フレッシュトマトで煮る。

カリフラワーの赤ワイン煮

750円

カリフラワーとアンチョビー、黒オリーブ、塩、ペコリーノチーズの塊を、赤ワインと少量の水で炊いていく。赤ワインのタンニン、アンチョビーのコクが、ワインを呼んでたまらない。シチリアで働いた店のマンマに教わった家庭料理。


必要とされるためのキーワード
店は酒場、素材はリストランテを死守。

イタリア修業の4年半はすべて星付き、日本では澤口知之シェフの下でのべ10年。リストランテ育ちの鈴木美樹さんが始めたのは、小さなメッシタ(酒場)。3000円も握って行けば、前菜、パスタにワイン3杯で幸せになれる店である。
「でも価格なりの料理でなく、今まで見てきた料理と同じ考えで作っています」
リストランテ級の素材をガンガン使いながら、しかしわかりやすい料理で表現する。たとえばアーティチョークもイタリア産のフレッシュを、シンプルに卵焼きで食べさせる。
それを可能にするには? という考えから「メッシタ」の店づくりは出発した。まずはひとりで料理を作ること。次に、一般に3日分の売上が相場と言われる家賃を、1日で払えること。駅から15分も歩く距離は織り込み済みである。
実現したかったのは、週2回、考えずに通える価格。また食べたくなる味。
「食べ手の気持ちで考えました。本当に心地いい料理って何だろう? と」
その答えが、開店前に旅したイタリアの3カ月で見えてきた。1日2〜3軒ずつ、計120軒。ひたすら食べ歩くうちに、量や盛り方のあんばい、皿の雰囲気、地味だけどほっとする味といった、食べ手の感覚がわかってきたという。
カウンターの向こうから、鈴木シェフは大きな声でお客を迎える。彼女からは、お客全員のほころびっぱなしの顔が見える。「うまい!」のシャウトも丸聞こえ。それが料理人の喜びになる。
「基本、自分が楽しくなければ」
その喜びを、再びお客に還していく。



◎メッシタ
東京都目黒区目黒4-12-13
03-3719-8279
16:00〜24:00 LO
日曜休

カード 不可
座席 カウンター10席
タバコ 可
各線目黒駅より東急バス「元競馬場前」下車徒歩1分

アラカルトのみ アーティチョークの卵焼き950円、ミートソース980円、白モツ フレッシュトマト煮1500円(税込)
【WINE】グラス白赤各1種500円、ボトル3600円~

「2011年08月新米オーナーズストーリー」 掲載
「2012年03月シェフに教わる注目の「手仕事」レベルアップ術」 掲載
「2012年05月100人のシェフが考える「必要とされる店」になるために」 掲載
バックナンバーはこちら

(『料理通信』2012年5月号取材時点)

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