「料理を前進させる」
岸田周三/Syuzo Kishida
カンテサンス/Quintessence
2014.10.01
高校卒業後、93年志摩観光ホテル「ラ・メール」へ。96年渋谷「カーエム」、00年渡仏。各地でブラッスリーから三ツ星まで数軒のレストランで修業。03年、パリ「アストランス」でパスカル・バルボに師事し、04年スーシェフに就任。05年帰国、06年「レストラン カンテサンス」を立ち上げる。07年『ミシュランガイド東京2008』で三ツ星を獲得(現在も維持)。11年、運営会社から独立し、オーナーシェフに。
FAVORITE
音楽 : 特になし
本 : ノンフィクション
映画 : 特にな
山羊乳のバヴァロワ
塩とオリーブ油を味わうための料理。オリーブ油はワイン同様、年毎の作柄で味が異なるため、銘柄が固定ではない。現在は伊産と仏産の3種ブレンド。塩はゲランド産フルール・ド・セル。「この粒の大きさがいい」。トップに百合根とノワゼットを散らして。
リ・ド・ヴォーを入れたタブル・ヴェール
野菜のジュで戻したクスクスの中には、リ・ド・ヴォーのフリット。ヴィヴィッドな色彩とデザイン性の高いプレゼンテーションばかりでなく、クスクスは冷製、リ・ド・ヴォーが熱々という温度のコントラストも食べ手を刺激する。
必要とされるためのキーワード
アスリート的おいしさの追求。
岸田さんには最近ちょっと気になることがある。
「オリジナリティや驚きを求めるあまり、おいしさの追求がおろそかになっているのではないか?」
そうなった理由としてよく「おいしいのは当たり前だから」と言われるけれど、岸田さんにその発想はない。
「アスリートがコンマ何秒の速さを競うように、コンマ何ポイントのおいしさを追求していくのが職人でしょう?」
岸田さんはアスリートでありたいのだ。その先に初めてお客様の満足が生まれると思うから。
新しい料理のひらめきは、いつも素材がもたらし、調理場で形になる。「触って、切って、火を入れて。その中からしか生まれい」。一方で、ラルースやエスコフィエにも立ち返る。「偉人たちが考え抜いた知恵を使わない手はないですよね」。
百年経っても古くならない、歴史に埋もれない料理が目標だ。
「驚きが失われた時に真価が見える。僕が目指すのは真価です」
◎東京都品川区北品川6-7-29 ガーデンシティ品川御殿山1F
03-6277-0090(予約)
03-6277-0485(案内)
12:00~13:00 LO 18:30~20:00 LO
日曜を中心に月6日休
カード 可
座席 全30席(うち個室 6席×2部屋)
タバコ 禁煙
アクセス JR山手線品川駅、大崎駅、五反田駅より徒歩10分
http://www.quintessence.jp
昼、夜ともおまかせコースのみ 昼8925円 夜18900円(税込・サ別)
【WINE】グラス白6種、赤3種1680円~、ボトル6300円~
(『料理通信』2012年5月号取材時点)
※移転前の「カンテサンス」での仕事
「2006年07月オプション付き FRENCH & ITALIAN」 掲載
「2006年10月ガストロノミー・レストラン IN TOKYO」 掲載
「2006年12月PRESTIGE PIPER×GRANDE MAISON」 掲載
「2007年01月design」 掲載
「2007年03月失敗しないレストラン選び 選択のルール 05」 掲載
「2007年08月美食のためのウォーターガイド」 掲載
「2007年12月ホスピタリティを表現するワークウェア」 掲載
「2008年03月食のプロを刺激する店」 掲載
「2009年04月シェフのクリエイションを刺激する高品質オリーブオイル “BIRD in HAND”」 掲載
「2010年07月アール・エフ・ワンが考える「サラダ×食育」」 掲載
「2010年08月2010年肉焼きの旅」 掲載
「2012年05月100人のシェフが考える「必要とされる店」になるために」 掲載