「料理を前進させる」
高田裕介/Yusuke Takada
ラ・シーム/La Cime
2015.05.19
1977年6月22日生 / 奄美大島出身 / B型
91年、辻調理師専門学校卒業後、大阪市内のフレンチ、イタリアン数軒で9年間働く。07年、渡仏。「タイユヴァン」、「ミーティング」、「ホテルムーリス」で修行を積み、09年に帰国。数店を経て、2010年、現店をオープン。
FAVORITE
音楽 : ラップ。その元となっているソウルやファンク。
本 : フランスの料理雑誌(数冊を年間購読)
映画 : あまり観ないが、強いて言えば、癒しのジブリ作品。
MY LEGEND
ヤニック・アレノ
「ルドワイヤン(仏・パリ)」シェフ。1968年生まれ。「オテル・スクリブ」を経て、03年「ル・ムーリス」の料理長となり、07年にミシュラン三ツ星を獲得。7年間三ツ星を保持し、14年、現店に着任。著書に『5番テーブルに四季』(駿河台出版社)。
田代和久
「ラ・ブランシュ(東京・渋谷)」シェフ。1950年生まれ。79年に渡仏、82年に帰国。86年に、現店を開店。著書に『ラ・ブランシュ 田代和久のフランス料理』(柴田書店)など。
手羽先のコンフィとオマール海老と数種の豆、パンデピス、ワサビ風味のコンソメ
鶏と甲殻類の組み合わせに、春らしいソラマメとマーメラス、薄くスライスしたパンデピスをプラス。ブレス産の鶏でとったコンソメにはワサビを加えて清涼感を出している。セロリの芯の部分をトッピング。複雑な風味とコクが楽しめる一品。
ジャガイモとウルイとトリュフ、アンチョビクリーム
塩窯で火入れしたジャガイモを潰し、トリュフのみじん切りを混ぜ、スライスしたジャガイモで巻く。クルミ油を塗ったウルイ、アンチョビーと生クリームのソースで。ほろ苦くまろやか、春を感じる香り。
必要とされるためのキーワード
古典を深め、現在進行形の技術を追う。
「タイユバン」「ル・ムーリス」などグランメゾンのガストロノミ―をはじめ、カジュアルな空間のビストロノミーまで、パリの料理シーンの今をあまねく吸収してきた高田裕介シェフ。最近のバイブルは、1938年出版の『ラルース料理事典』と最新の技法が載る『MODERNISTCUISINE』だと言う。「古典と先端、双方を押さえないと、閃いた料理を形にできないから」。70年以上昔の古い料理法を探る一方で、フランスの料理雑誌数冊を定期購読し、現地の最新情報に精通する。店内の蔵書は増える一方。「フレンチのカテゴリーで、僕ができることを過去まで幅広く知っておけば、仏人シェフと対等に戦えると思うから」。
そうして日々、新旧の様々な技を駆使して一皿ごとに対峙する。ファルシやバロティーヌ、カスレなど、クラシックを軸にしつつ味や構成はコンテンポラリー。そんな料理を、シンプルでコージーな空間で頂くギャップも魅力だ。「今この瞬間にしかない料理を創り出し、魅了する店であり続けたい」。
◎ラ・シーム
大阪府大阪市中央区瓦町3-2-15
06-6222-2010
12:00〜13:30 LO 18:30〜21:00 LO
定休日 日曜休、祝日不定休
カード 可
座席 テーブル34席
タバコ 禁煙
大阪市営地下鉄本町駅より徒歩5分
http://www.la-cime.com
昼5300円 夜8100円 (税込・サ別)
【WINE】 グラス 白赤各4種 1300円~、ボトル 4500円~
(『料理通信』2012年5月号取材時点)
「2010年12月日仏人気ビストロノミー比較」 掲載
「2011年06月食のプロを刺激する店」 掲載
「2012年02月本格派パティシエールへの道 3つのケーススタディ」 掲載
「2012年05月100人のシェフが考える「必要とされる店」になるために」 掲載
バックナンバーはこちら