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PEOPLE / シェフ名鑑(アーカイブ)

「技術・文化を伝承する」

涌井勇二/Yuji Wakui

コム・ア・ラ・メゾン/Comme A la Maison

2015.05.14

涌井勇二
text by Rieko Seto / photographs by Hide Urabe

1968年8月31日生 / 東京都出身 / A型
高校卒業後、「ル・オルレアン」(2〜3年)、「ブラッスリー・ベルナール」(約3年)に勤めた後、渡仏。パリ「ジャック・カーニャ」(約1年)、パリ「ラ・ビット・ショワイヨー」(約半年)やパリのビストロを経て、ボルドー「ラ・シャマド」(約1年)で修業。六本木「ラ・キュイジーヌ」でシェフを務めた(約3年)後、約2年の開店準備期間を経て、01年、現店オープン。

FAVORITE
音楽 : クラシック音楽、昔のバスク音楽
本 : 時々によって異なる
映画 : 時々によって異なる

MY LEGEND
ミッシェル・キャレール
「オテル・ド・フランス(仏・ランド地方)」シェフ。

僕の父
「レストランアポロ(東京・府中)」オーナー。


スープ・ド・ガルビュ

スープ・ド・ガルビュ

1400円

ビゴール豚の生ハムの骨、皮、スネ肉でとったスープで白いんげん豆、根セロリ、カブ、ジャガイモ、ポワロー、ちりめんキャベツを崩れるまで煮込んだ、フランス南西部の伝統料理。供する前にニンニクのピュレと鴨脂を加えて温め、ピマン・デスペレットをかける。

パテ・ド・カンパーニュ

パテ・ド・カンパーニュ

1400円

豚ののど肉と肩ロースと鶏レバーを、野菜とともにポルト酒とアルマニャックでマリネし、ミンチに。型に詰め、「旨味を逃さないよう」100℃のオーブンで火を入れ。さらに冷蔵庫で1カ月寝かせることで、旨味と香りが増幅。


必要とされるためのキーワード
真心でもてなす。

必要とされるためのキーワード 真心でもてなす。

供するのは滋味深いフランス南西部の郷土料理、ワイン、アルマニャック。店は決して華やかとは言えないが、なぜかそこで食事をしていると肩の力が抜け、心が温かくなる。それが、涌井勇二シェフが11年間貫いてきた「コム・ア・ラ・メゾン」(=家のように)のスタイルだ。

「今は使い捨ての時代だけど、道具でも椅子でも大切に長く使い続けることが大事。店や人も同じだと思う。長く付き合うことで信頼関係が生まれ、より深い関係を築ける」

 店で一番に考えるのは、「お客さんに幸せな気持ちになってもらうこと」。涌井シェフは万全の準備を整え、渾身の力を込めて料理を作る。もてなし役は、元はお客だったという信頼するスタッフ2人。かつて涌井シェフを受け入れてくれた南西部の人々の温かさそのままに、足を運んでくれたお客を家族のように迎え入れ、心地よい時間をサポートする。

 お客とともに歩み、「常に満足することなく、前へ進みたい」。込められた真心は温かいスープのように、心と体に沁みわたる。



◎コム・ア・ラ・メゾン
東京都港区赤坂6-4-15 シティマンション赤坂 1F
03-3505-3345
18:00〜23:00 LO
定休日 日曜休

カード 可
座席 全16席(うちカウンター4席)
タバコ 禁煙

東京メトロ赤坂駅より徒歩3分

アラカルトのみ 前菜1512円~、メイン2700円~ (税込)
【WINE】 グラス白赤各2種972円~、ボトル6480円~

(『料理通信』2012年5月号取材時点)

「2008年12月フランス地方料理の神髄が味わえる店」 掲載
「2010年01月表紙のレシピ、異ジャンルの料理人が通う技ありフレンチ・関東編」 掲載
「2010年02月人気レストランで教わるシンプルスイーツ」 掲載
「2010年12月日仏人気ビストロノミー比較」 掲載
「2012年03月シェフに教わる注目の「手仕事」レベルアップ術」 掲載
「2012年05月100人のシェフが考える「必要とされる店」になるために」 掲載
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