「技術・文化を伝承する」
祗園 大渡 大渡真人 Masahito Owatari
2015.05.19
-
店名
祗園 大渡/(おおわたり)
2009.8.16 open 祇園 大渡のページを見る
1975年3月20日生 / 福岡県出身 / B型
18歳で大阪「花ご膳(閉店)」にて修業を始める(5年)、「懐石 本多」(3年)、「季節料理 津むら(閉店)」(5年)を経て、09年に独立。
FAVORITE
音楽 : ザ・ブルーハーツ
本 : 『料理通信』
映画 : 特になし
MY LEGEND
津村眞次
「季節料理 津むら(大阪・新深江・現閉店)」元主人。同店を2009年に閉店。リタイア後は、海外旅行や自転車ライフを満喫しつつ、趣味で知人宅での出張料理や料理教室も手伝う。若手料理人との親交も深い。
中東久雄
「草喰なかひがし(京都・銀閣寺)」店主。1952年生まれ。亡き兄の中東吉次さんと「美山荘」で料理を担当し、97年に銀閣寺に「草喰なかひがし」を開店。紅殻で塗った「おくどさん」を中心にしたユニークな調理場で話題を呼ぶ。毎朝、野草を摘んで料理に仕上げる「中東ワールド」で人気を博している。著書に『草菜根―そしてご飯で、ごちそうさん』(文化出版局)。
佐々木浩
「祗園さゝ木(京都・祗園)」主人。1961年生まれ。滋賀の料理旅館「臨湖庵」で修業、京都「割烹ふじ田」にて店長・料理長を務め97年に独立、06年に移転。一枚板のカウンター前に石窯を据え、日本料理の概念を超えた新しい味覚を次々と生み出す。13年に支店「祇園 楽味」開店。著書に『祗園 さゝ木の12か月 直伝レシピ手習い帖』(朝日新聞出版)など。
-
椀物 蛤の葛たたき
おまかせコースの一品
日本料理の要であるだしこそ、自分らしさを映したスペシャリテ。京都の軟水に合わせて、カツオより柔らかく風味が出るマグロ節を使用。白魚、蛤、山菜と、口にすると、春の野と浜辺の光景が思い浮かぶような一品。
-
ホワイトアスパラガスと鶏のジュレ 雲丹添え
おまかせコースの一品
香りが淡い走りのアスパラガスには、鶏のだしを含ませ、にウニを添えて甘味を重ねる。ぱらりと散らした菜の花が、随所でさりげなく春らしい苦味を感じさせる。
必要とされるためのキーワード
取捨選択できるまで修業する。
取捨選択できるまで修業する。
- 修業先は大阪なれど、奥様の実家がある京都を選んで独立した。いわゆる京料理らしい「松茸と鱧なら、椀物や土瓶蒸しに」といった“型”には収まらず、鱧はすり流しに、松茸は時にフライにと自在さを見せる。造りも、たとえば鯛だけを敢えてあしらいもなしで出す潔さ。流れを重んじ、コース全体で一つの形となる京料理と違い、「今日はこの、あの素材を、こんな、あんなふうに味わってほしい」と、1品ごとに完結した料理で組み立てる、浪速割烹の「喰い切り」型だ。
口が奢った祇園の客の「これは京料理じゃない」の声が最初は否定の意味だったのが、「だからおもろい。おいしい」に転じるまで時間はかからなかった。 ある時、大阪では鰹節を使っていただしを、京都の軟水に合わせてマグロ節に変えると、椀物の味が定まった。「修業とは、伝統的な技術を得て柔軟に取捨選択するためのものと気づきました」。
昨年、弟子が入り、ゆとりができた。次はどんな料理で沸かせるのか楽しみだ。
text by Moriko Awa / photographs by Kazunori Ogoshi
祇園 大渡 京都府/祇園四条 祇園 大渡のページを見る
住所 | 京都府京都市東山区祇園南側570-265 |
---|---|
電話番号 | 075-551-5252 |
営業時間 | 18:00〜21:00入店 |
定休日 | 不定休 |
カード | 不可 |
座席 | 全8席 |
タバコ | 禁煙 |
アクセス | 京阪電車祇園四条駅より徒歩10分 |
URL | - |
備考 | コース14000円~(税込・サ別) 日本酒 1合1000円~ 【WINE】 ボトル8400円~ |
- 「2009年11月NEW OPEN」 掲載
- 「2012年05月100人のシェフが考える「必要とされる店」になるために」 掲載
- バックナンバーはこちら