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PEOPLE / 食の世界のスペシャリスト

佐藤美恵子さん(さとう・みえこ)仏ワーキングホリデー就労サポート

第1話「フランスと日本の間で働く」(全5話)

2016.12.01

ワーキングホリデー、
使ってみたいですか?

フランス料理の料理人になりたい若者は、一度はフランスでの修業を考えることでしょう。
かつては、労働ビザを持たずに働いて技術を覚えた先達がいました。見つかったら自分だけでなく店にも罰則がかかるため、抜き打ち検査のたびに裏口から逃げる、なんて昔話をこっそりシェフから聞くこともあります。それだけ、「外国人がフランスで働く」ということが厳しかった時代が長く続いていたのです。

今は、フランスで修業する手段のひとつとして、ワーキンホリデー制度があります。









Photographs by Masahiro Goda,Text by Reiko Kakimoto




フランスへのワーキンホリデー制度が開始されたのは1999年3月。
年間550人から定員増加し、現在ではおおよそ年間1500人がこの制度を使えるようになっています。
滞在期間は1年間。年齢制限は18歳から30歳(申請時)。使えるチャンスは生涯で1回きりです。

あなたは、ワーキングホリデーを使ってみたいですか?

ワーキングホリデー・ビザは取得したけれど





ワーキングホリデー・ビザは、名目としては「ホリデー(休暇)」のための滞在ビザです。
しかし、長期滞在を可能にする手段として労働が認められるビザで、きちんとお給料がもらえる労働ビザとしての機能があります。
ですが、雇用主には給料の支払いと、それに伴う税金・保険料などを支払う義務があるため、ワーキングホリデー・ビザを取得できても、正式に雇用されることは簡単ではありません。

就労すれば最低賃金が保証されるはずなのに、実際は無給だったというケース。契約を突然打ち切られたケースも少なくなりません。何より、アルバイトすら見つけられず、数カ月で失意のうちに帰国するという人もいます。

そんな若者が1人たりとも出ないように。たとえフランスで打ちのめされても、それをバネにできるように。
フランスと日本の間に立ちながら、若者の夢を応援しつづける人がいます。
佐藤美恵子さん。主にフランスに渡る人に向けて、ワーキングホリデーのコーディネーターをしています。

フランスと駆け落ちした





なぜ、フランスのワーキングホリデーなのか?

「ひと言で言うと、フランスに恋してしまったから」。
大学卒業後、大手企業に就職して順風満帆だった佐藤さんの人生を変えたのは、27歳のときのフランス旅行でした。
フランスの文化、耳に心地よいフランス語、美しい町並みにすっかり恋したといいます。
「エスプリ」と言うべきフランス人の教養の深さ、情の深さにも惹かれました。
Photograph by Mieko Sato




2年後、親や周囲の大反対を押し切り、会社を辞めてフランス留学へと旅立ちます。駆け落ちのようなドラマチックな渡仏。ただし相手は人ではなく、「フランス」という国だったのですが。

その後、佐藤さんは様々な努力をしてフランス滞在を試みます(詳しくは第2話、第3話で紹介)。
そのときの経験が、今の仕事に結びついていると振り返ります。
独立して6年目、ワーキングホリデーのコーディネートを始めてからは12年が経った佐藤さんの仕事を紐解いてみましょう。




佐藤美恵子(さとう・みえこ)
大学卒業後に大手企業に6年務め、30歳を目前にフランス留学へ。帰国後、様々な職種を経験し、フランス観光業に携わる。2008年、仏ワーキングホリデーの就労サポートを主な事業とする「ミルジョワ企画」設立。ビザの取得から渡仏準備、飲食店など就労先の紹介、滞在中のケアまで密なサポートを行い、若き料理人たちを支える。

























































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