前の世界と次の世界を繋ぐ役目 世界の例外に漏れることなく、パリにもその波は訪れた。 店にたくさんのお客さんが来てくれればなによりと思っていたのは遥か遠く昔のようだ。 その週末は、家族や友人と暫しの別れ...
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2020.05.08
僕には夢がある。 それは食堂を開くこと。 お客の会話や足音までがBGMとなってお腹を満たしてくれる場所。 そして、どこか温かく庶民的で、つい行きたくなってしまうような空間。 僕はいつかそんなお店ができ...
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2018.12.25
19歳の頃、僕はソフィア・コッポラの「ヴァージンスーサイズ」に出会った。 70年代のアメリカ、ミシガンが舞台の映画だ。 カラフルな映像に彩られながら主人公の5人姉妹は自らの命を絶っていく。 本当の心の...
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2018.07.30
超低空飛行から抜け出して。 アジアの終着点であるこの街は、ヨーロッパへの始発駅でもある。 アジア側カドゥキョイから連絡船に乗り込み、ボスポラス海峡を渡る。 沈みゆく夕日に照らされた対岸のモスクは、視界...
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2018.03.29
5年前、「サチュルヌ」で会った。 渥美創太君に出会ったのは、そんなに昔の話ではない。 2013年、僕は自店の開店準備を進めていた。 週に数軒の内見をするものの、それ以外は家でひたすら不動産屋の連絡を待...
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2018.01.15
「食べること」の意味と楽しさを教えてくれた。 高校生の頃、沢木耕太郎さんの『深夜特急』は僕らのバイブルだった。 トルコの受刑者たちの間で、脱獄することを「ミッドナイトエキスプレスに乗る」と言ったそうだ...
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2017.11.21
東京の街とカレー。 高校生の頃、下北沢のタイ料理店で食べた「ココナッツカレー」は未だ訪れたことのないバンコクの街を思い描かせた。 コリアンダー、レモングラス、コブミカン、ココナッツ、赤唐辛子。 汗が溢...
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2017.09.07
不安と緊張に満ちた旅の始まり。 深夜0時、中継地点のイスタンブールでパリからの便を降りると、妙な薄暗い個室に通された。 ただでさえ到着が遅れて乗り継ぎ時間があまりないのに。 「パスポートを一度回収しま...
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2017.07.31
12年前の5月、たまたまこの店の近所に移り住んだ。 三軒茶屋の駅を降りて、南にしばらく歩いた住宅地の外れにその店はある。 僕はこの店に出会うことで自分の人生が変わったと言っても過言ではないだろう。 そ...
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2017.06.21
パリ中に散らばる、様々な場所から集まった人たちの営み。 フランスに来てもうすぐ10年が経とうとしています。 パリで生活を始めた頃は、一人の外国人として、この国の日常を外側から眺めていました。 サンマル...
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2017.05.09
世界中から120人のシェフやパティシエがやってくる。3月を迎え、冬も終わりに近づき、春の到来を告げる野菜たちが少しずつ登場し始めました。一年で一番実りの多い春です。今年はどんな料理を作れるだろうかとわくわくします。
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2017.04.03
笠間や益子の雰囲気がそのまま運ばれてきたよう…外に出るのがつい億劫になってしまう、未だ肌寒い2月のパリ。そんな時、僕は自宅にある器たちを眺めて料理を空想します。器を好きになったのは、料理を本格的に始めるよりも前のことでした。
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2017.02.28