切り分ける時の歓声必至「牛塊肉の炭火焼術」
アウトドアレシピ
2024.10.17
photographs by Kouichi Takizawa
連載:アウトドアレシピ
アウトドアの新メニューに加えたい味を人気店に習う連載「アウトドアレシピ」。今回は、まさにド直球な「塊肉の炭火焼」です。シンプルゆえに奥が深いこの料理にプロはどう向き合っているのでしょう。肉選びと焼き方&休ませ方のイロハを教わります。
目次
- ■教えてくれた人:東京・西麻布「No Code(ノーコード)」米澤文雄さん
- ■遠火の強火でじっくり焼き、加熱と焼き付けを同時に進める
- ■1)サプライズな肉選び
- ■2)割り箸で形をキープ
- ■3)焼き方&休ませ方
- ■失敗した&余ったときのリカバリー術「牛肉のスパイス炒め」
- ■東京・西麻布「No Code(ノーコード)」の店舗情報
教えてくれた人:東京・西麻布「No Code(ノーコード)」米澤文雄さん
遠火の強火でじっくり焼き、加熱と焼き付けを同時に進める
表面がカリッとして、スモーキー。炭火焼きには鉄板やオーブンでは出せないおいしさがあります。安価な炭と備長炭とでは火力が違い、焼き上がりも変わる。炭をランクアップするとおいしさもアップします。
アウトドアで大勢が集まるなら、少人数では食べきれない大きな塊肉を焼くと絶対盛り上がります! 今日は2㎏の塊肉を焼いてみましょう。
常温に戻した肉を割り箸で固定してグリルにのせます。厚みがある肉は、なかなか火が通りません。加熱と焼き付けが同時に進むように、遠火の強火で時間をかけて焼きます。肉の場所、部位によって火の入り方が違うので、それぞれを指で押して弾力を見て、鉄串を刺して、火の通りを確認しましょう。この塊肉にはいろんな部位が混在しているから、味、食感の違いを食べ比べても面白いですよ。
1)サプライズな肉選び
複数の肉質が混在する肩ロースの塊肉
2)割り箸で形をキープ
3)焼き方&休ませ方
[1]焼き上がりの手前まで遠火の強火
肉を常温に戻し、最初から焼き上がりの手前まで、遠火の強火で、じわじわ、ゆっくり火を入れる。
[2]全方向から火を入れる
トングで肉の向きを変えながら、いろんな方向から火を入れる。
[3]仕上げは近火の強火
30分程度経過し、肉の弾力が出てきたら、近火にして表面をカリッと焼く。
[4]触って&温度で火入れをチェック
肉を指で押し、弾力で火の通りを見る。押したスピードで肉が戻ってきたらミディアムレア。鉄串を刺して肉の中心温度を見る。温かければ火が通っている。
[5]休ませる
肉が焼けてすぐ切ると、肉汁が流れ出るので休ませる。途中でひっくり返し、肉汁を全体に回す。【POINT】焼いた時間と同じだけ休ませるのがベスト!
[6]完成
場所によって火の入り具合が変わる。端はほんのり赤身が残る、ミディアム。
肉の中央で、厚みがある部分はレアの状態。スライスしたものを、それぞれが好みで焼き足してもよい。
失敗した&余ったときのリカバリー術「牛肉のスパイス炒め」
生焼けだったり、食べきれなかった肉はさいの目に切って野菜、スパイスと炒める。キャンプの夜の酒のつまみにも!
<作り方>
[1]フライパンにオリーブ油、ニンニクのみじん切りを入れて温め、クミンをひとつまみ加える。
[2]ナスを炒めて肉を加え、塩、コショウ、カレー粉、醤油で味を調える。
[3]皿に盛り、アーモンド、パセリを散らす。
東京・西麻布「No Code(ノーコード)」の店舗情報
◎No Code
東京都港区西麻布2-25-31 クオーレ西麻布 2F
☎紹介制のため非公開
コース18:00~21:00、アラカルト21:15~23:00
不定休
東京メトロ乃木坂駅より徒歩10分
https://nocode.co.jp/nocode/
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
(雑誌『料理通信』2020年11月・12月合併号掲載)
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