皮要らず。もち米で作るシュウマイ、「珍珠丸子」
フェーズフリーな食材レシピ:もち米
2022.03.17
photographs by Tsunenori Yamashita
乾物や漬物など、常温で長期保存でき、ビタミンやミネラルなど栄養価も高い食材は、備蓄食品にも向く優れもの。普段から食事に取り入れ、使い慣れることで、「いざという時に賞味期限が切れていた」「食べ慣れない味で食が進まない」という問題も避けられます。「いつも」と「もしも」をつなぐフェーズフリー*な食材を、おいしく活用するレシピを教わります。
常備したい食材:もち米
教えてくれたシェフ:東京・学芸大学「ピセロ」麦野詩碧(しへき)さん
シュウマイバー「ピセロ」店主。小麦粉料理を台湾の専門学校で学び、2005年に点心、饅頭の専門販売店「ピセロ」を開業。2010年にシュウマイ×ワインBARとしてイートインも開始。ランチのテイクアウト弁当や、オーダーメイドのケータリングも人気。
もち米なら成形も簡単!
シュウマイと言えば、専用の皮で肉だねを包んだものがおなじみ。皮がないと作れない・・・と思いがちだが、シュウマイバー「ピセロ」の麦野詩碧さんに教わったのは、「珍珠丸子(もち米のシュウマイ)」。皮の代わりにもち米を使った、点心の定番メニューのひとつ。
もち米は水に3時間程度浸けて戻したものを使う。ゴルフボール大に丸めた肉だねをもち米に転がしてまぶし、湯気の上がった蒸し器で蒸すだけ。皮を使う場合、慣れないと成形が難しく、しかも時間がたつと皮がダレてしまうけれど、もち米なら成形も簡単、水分を吸うので、蒸す前の状態で、作り置きもできる。
焼いたり、揚げたりする調理に比べ、蒸す調理は失敗しにくく、カセットコンロとせいろなどの蒸し器があれば、どこでも調理できるのも嬉しい。立ち上る熱々の湯気もごちそうだ。バリエーションとして、「もち米の代わりに、せん切りにして塩もみしたニンジンやダイコンなどの野菜を肉だねの表面にまぶしてもいいですよ」と麦野さん。もっと気軽に、自由にシュウマイを作ってみたくなる。
「ピセロ」に教わるもち米のシュウマイ作りのコツ
✓もち米は水に浸して使う
✓もち米が水分を吸うので、蒸す手前まで作り置きできる
✓キクラゲや干しエビ、干椎茸など乾物で味を深める
「ピセロ」珍珠丸子(もち米のシュウマイ)の材料と作り方
[材料](4~5人分)
もち米・・・1カップ
<肉だね>
豚挽き肉・・・300g
干しキクラゲ・・・10g
長ネギ(みじん切り)・・・1/2本
塩・・・小さじ1/2
酒・・・大さじ1/2
醤油……大さじ1/2
ネギショウガ水*・・・大さじ1
ゴマ油・・・小さじ1/2
片栗粉・・・大さじ1/2
砂糖・・・小さじ1/2
*ショウガスライスとネギの青い部分(各適量)を水に浸して揉んで香りを移したもの。
[作り方]
[1]もち米を水に浸ける
もち米は水に浸けて3時間ほどおいて、水気を切る。干しキクラゲは水で戻し、みじん切りにする。
[2]肉だねを作る
肉だねの材料を全てボウルに入れてよく混ぜる。
POINT: 戻した干しエビ、干椎茸などを刻んで加えてもおいしい。
[3]もち米をまぶす
肉だねをゴルフボール程度の大きさに丸め、[1]のもち米をまぶす。
[4]蒸し器で蒸す
蒸気の立った蒸し器に入れて強火で15分ほど蒸す。辛子醤油でいただく。
もち米の粒が立ってなんとも愛らしいシュウマイ。もっちり歯触りがクセになる。普通のシュウマイに比べて、成形も蒸し加減も実は簡単。レパートリーに取り入れたい一品。
◎ピセロ
東京都目黒区鷹番3-19-19
☎03-3760-8860
18:00~22:00LO
日曜休、不定休
東急線学芸大学駅より徒歩5分
Instagram:@piseropisero
※新型コロナウイルス感染拡大等により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
*フェーズフリー(Phase Free)は、防災の専門家として活動を続けてきた佐藤唯行氏が2014年に提唱した考え方。
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