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RECIPE

スパイスが口の中で、花火のように弾ける「大豆ミートのペッパーマサラ」

プラントベースの始め方40

2024.03.11

スパイスが口の中で、花火のように弾ける「大豆ミートのペッパーマサラ」

photographs by Sai Santo

連載:プラントベースの始め方

健康や環境への配慮から、植物性の食材を主体とする“プラントベース(Plant Based)”な食事法が注目されています。肉や魚や乳製品に頼らずとも「おいしい」料理を作る知恵は、世界各地に存在します。身近なレシピからおいしくプラントベースを始めるヒントを紹介します。

教えてくれた人
東京・西荻窪「エヌ・ハーベスト」代表 鈴木裕さん

東京・西荻窪「エヌ・ハーベスト」代表 鈴木裕さん

2013年開店。店では有機スパイス、紅茶、ドライフルーツ、木工・刺繍製品などを扱う。自店や全国で料理を教える出張料理人としても活躍。未知なるスパイスと味を求めて旅をしながら、インド、スリランカなどで出会った人々に貢献することが目的に活動。


水分を飛ばして深く炒める

私は東京・西荻窪のドライフルーツ・スパイス専門店「エヌ・ハーベスト」の代表、全国で料理を教える出張料理人、さらに未知なるスパイスと味を求める旅人でもあります。活動は多岐にわたりますが、大きくはインド、スリランカなどで出会った人々に貢献することが目的。そのためにできることすべてが、私、鈴木裕の仕事です。

きっかけは旅でした。学生時代、バックパッカーや海外ボランティアでアジアを旅し、中でもインド、パキスタンの食文化や生活様式に心惹かれました。旅を続ける中、パキスタンの桃源郷と呼ばれるフンザに出会います。フンザは1970年代まで貨幣がなく、物々交換で暮らしてきた村。村全体が家族のように温かく、酷い呼吸困難と悪寒に苦しむ高山病にかかった私を、皆で介抱してくれました。“いつか恩返しを”と強く思ったのです。

2009年に起業。店で扱うのはスリランカの有機スパイスです。食べ歩くうちに、私の嗜好が野菜中心で体に優しいものを求めたのが理由です。

旅で出会う人々は、古い物を手入れし、必要以上に持たず、清潔で、人を大事にするシンプルな方ばかり。人として学ぶことしかない。私の使命は、彼らの暮らしから学んだことを雰囲気ごと日本に伝えること。だから旅で出会うスパイス、料理、暮らしをもっと知りたい、広めたい。そして現地の人の役にたちたい。想いは次々と、湧くのです。

「大豆ミートのペッパーマサラ」は、タミルナード州チェティナードの郷土料理。多めのブラックペッパー、コリアンダーが口の中で花火のようにはじけ、キレよく去ります。タマネギのコクが病みつきになる一品。最短でタマネギを飴色にするため、ギリギリまで焼き付けて返すように炒めるのが現地の味を再現するコツです。


<植物性食材だけでおいしくなるコツ>


1 現地そのままのスパイス使いで、香りを弾けさせる
2 タマネギは焼き付けるように炒めて、旨味を引き出す

「大豆ミートのペッパーマサラ」の作り方

[材料]
〈大豆ミートの唐揚げ〉

大豆ミート・・・80g

 醤油・・・小さじ1
 塩・・・小さじ 1/2
 ニンニク、ショウガ(共にみじん切り)・・・各小さじ1
 水・・・大さじ2
片栗粉・・・小さじ1
菜種油・・・適量

〈グレービーソース〉
カレーリーフ・・・10枚
タマネギ(みじん切り)・・・大さじ3
ショウガ、ニンニク(ともにみじん切り)・・・小さじ各1
青唐辛子(ヘタを落とし、縦に2本切れ込みを入れる)・・・2本
香菜の茎(みじん切り)・・・小さじ1
トマト(粗みじん切り)・・・1個
水・・・1カップ
塩・・・小さじ 1/2
菜種油・・・大さじ3

B(ホールスパイス)
 カルダモンシード・・・1粒
 シナモンスティック・・・1/4本
 ローリエ・・・1枚

C(チェティナードマサラ)
 コリアンダーシード・・・小さじ2
 ブラックペッパー(ホール)・・・小さじ1.5
 クミンシード・・・小さじ1
 フェンネルシード・・・小さじ1/4
 赤唐辛子・・・2本

[作り方]
[下準備]チェティナードマサラを乾煎りする

「大豆ミートのペッパーマサラ」の作り方

Cをフライパンで香りが立つまで乾煎りして水分を飛ばす。冷ましてからすり鉢で押し潰す。

[1から揚げの材料を混ぜる
大豆ミートの唐揚げを作る。水で戻した大豆ミートの水気を絞り(カラカラの一歩手前で)、ボウルにAの材料を合わせて大豆ミートを加え、手でよく混ぜる。

[2]揚げる
に片栗粉をまぶし、180℃の油で約2分程度揚げる。

[3]ホールスパイスを加熱する
グレービーソースを作る。鍋に油を熱し、Bのホールスパイスを入れて強火で温める。

[4]タマネギとカレーリーフを加えて炒める

ライパンで香りが立つまで乾煎りして水分を飛ばす。冷ましてからすり鉢で押し潰す。

カルダモンが白っぽく膨らんだら、タマネギ、カレーリーフを加え、タマネギが飴色になるまで8分程、炒める。
POINT:最短で色づけるために、数秒放置し、焼き色がついたら木べらでひっくり返す、を繰り返す。水分を飛ばし切る。

[5]その他の材料を加えて炒める
ショウガ、ニンニク、青唐辛子、香菜の茎を入れて香りがたったらトマトを加えてよく炒める。

[6]マサラを加え炒めて煮る
一度火を止め、C、塩を加えてさらに水分を飛ばしながら炒め合わせ、水を加えて2分程煮詰める。

[7]から揚げと合わせる
の大豆ミートの唐揚げを加え、よく絡ませ、器に盛る。

大豆ミートの唐揚げを加え、よく絡ませ、器に盛る。


◎エヌ・ハーベスト
東京都杉並区松庵3-31-17
☎03-5941-3986
11:00~19:00
月曜休
JR西荻窪駅より徒歩5分
http://www.nharvestorganic.com/

※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

(雑誌『料理通信』2019年8月号掲載)

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