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RECIPE

甘酸っぱくさらっとした口当たり「オレンジとサツマイモのスープ」

プラントベースの始め方56

2025.11.17

甘酸っぱくさらっとした口当たり「オレンジとサツマイモのスープ」

photographs by Tsunenori Yamashita

連載:プラントベースの始め方

健康や環境への配慮から、植物性の食材を主体とする“プラントベース(Plant Based)”な食事法が注目されています。肉や魚や乳製品に頼らずとも「おいしい」料理を作る知恵は、世界各地に存在します。身近なレシピからおいしくプラントベースを始めるヒントを紹介します。

目次






教えてくれた人:荻野伸也さん

荻野伸也さん

「ターブルオギノ」代表。フレンチレストラン「ogino」や、生産者との出会いから野菜の力に惚れ込み、デリカテッセン「ターブルオギノ」等を展開。現在は実店舗を閉店し、全国のレストランやカフェのメニュープロデュース、経営コンサルティング、若手料理人の育成支援など幅広く活動。神奈川県・葉山を拠点に、狩猟や畑仕事をしながらフードロス削減など社会課題の解決にも力を注ぐ。


ライスミルクで甘味と酸味を繋ぐ

野菜ほど、料理人として腕を試されるものはないのかもしれない――。2015年に刊行された『TABLE OGINOの野菜料理200』(誠文堂新光社刊)の中でそう語っている荻野伸也さん。

全国各地の生産者の元を訪れ、野菜の底力に改めて気付いたことで意識して使うようになったという。特に無農薬や有機栽培の食材は仕入れが不安定。段ボールを開けるまで、何が届くかわからない。だから、料理を軸に野菜を選ぶのではなく、野菜に寄せて料理を構築していく。そんなコントロールの難しさにも、やる気をかりたてられた。

中でもスープはたくさんの野菜が一皿で摂取できる料理だ。植物性食材に欠けがちな満足感や味わいは、ドライフルーツやニンニクを始め、キヌアやライスミルク、レンズ豆などで補う。ドライフルーツや野菜の焦げ、ニンニクなどでフックを作るのが満足感を高めるカギとなる。

「サツマイモとオレンジのスープ」の材料と作り方

[材料](作りやすい分量)
サツマイモ・・・200g
タマネギ・・・50g
セロリ・・・50g
E.V.オリーブ油・・・大さじ2
塩・・・ひとつまみ
ライスミルク・・・200ml
100%オレンジジュース・・・200ml
オレンジの皮・・・ひとつまみ
オレンジ(皮を剥く)・・・適量
シリアル(好みのもので可)・・・適量

ライスミルク

ライスミルク

自然食品店などで販売されるお米が原料の飲料。乳製品アレルギーを持つ人でも安心して飲める。アーモンドミルクはコクがあるが、ライスミルクはさらりとした口当たり。

[作り方]
[1]野菜を切る
サツマイモは皮を剥き、1㎝角に切る。タマネギは皮を剥き、セロリと共に薄切りに。

[2]炒める

[1−2]野菜を炒める

鍋にE.V.オリーブ油を引いて中火にかけ、のタマネギとセロリを加えて、水分を飛ばすようにしっかり炒める。【POINT】タマネギとセロリは最初の段階でしっかり炒める。水分を飛ばしながら旨味を引き出すことで、サツマイモの甘味に深みとコクを加える。

[3]煮る
野菜に火が通ったら、サツマイモを加えて、ライスミルクとオレンジジュースを注ぐ。オレンジの皮を加え、サツマイモが柔らかくなるまで煮込む。

[4]ペースト状にする

[4]ペースト状にする

火を止めて、ミキサーに移し、ペースト状になるまで攪拌する。【POINT】柔らかく煮た野菜は、ライスミルクとオレンジジュースと馴染むようにしっかり攪拌することで、粒を感じさせない滑らかな舌触りに。

[5]濃度と味を整える
再度鍋に戻して火にかける。沸騰したら弱火にして、水を適宜加え、好みの濃度に調整する。塩、コショウ(分量外)で味を調える。

[6]仕上げ
器に盛り付け、オレンジを散らしシリアルを添える。【POINT】ヨーグルトや牛乳などと一緒に食べるシリアルは、ポタージュにかけて混ぜてもおいしい。ナッツやドライフルーツが入ったものなどいろいろ種類があるので、好みを見つけて。

サツマイモとオレンジのスープ

こっくりしたイメージのあるサツマイモのポタージュを、ライスミルクとオレンジジュースで甘酸っぱくサラサラに仕上げた。シリアルと合わせて朝食にも。

(雑誌『料理通信』2016年12月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)


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