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RECIPE

体の芯から温まるイギリスの味「ニンジンとショウガのスープ」

プラントベースの始め方59

2026.02.16

体の芯から温まるイギリスの味「ニンジンとショウガのスープ」

photographs by Hide Urabe

連載:プラントベースの始め方

健康や環境への配慮から、植物性の食材を主体とする“プラントベース(Plant Based)”な食事法が注目されています。肉や魚や乳製品に頼らずとも「おいしい」料理を作る知恵は、世界各地に存在します。身近なレシピからおいしくプラントベースを始めるヒントを紹介します。

目次






教えてくれた人:東京・東中野「ビスポーク」野々下レイさん

野々下レイさん

英国スタイルのガストロパブ「ビスポーク」のオーナーシェフ。大学卒業後、音楽を志して留学したロンドンで「イギリス料理」に魅せられ、料理の世界へ。帰国後、フランス料理店、カフェ、大使館などで修業し、2012年現店オープン。料理はもちろんのこと、気さくで飾らない人柄と、キレのよいトークに魅了されて通いつめるファンも多数。パン、調味料やソーセージ、燻製まですべて手作りし、著作『全部、自家製』(講談社)でレシピを惜しみなく紹介している。


野菜を半身浴で煮て、撹拌前に水を足す

イギリスが料理にショウガをよく使うのは、かつて植民地支配をしていたインドからの影響でしょうね。ジンジャークッキーなどお菓子での使い方は日本でもよく知られていますが、実はスープにもよく使われるんです。店ではニンジンのほかにも、トマトやビーツでも同様に作ります。

まず野菜を炒めます。といっても、強火で焼き色を付けたりせず、弱火で温めて、汗をかかせるような感じです。3分程経ったら、水を加えて煮ます。見てください。水は野菜の8分目程度でいい。野菜を半身浴させるように、少なめの水で煮ていきます。これをそのままミキサーで回すと、離乳食のようなペースト状になるので、撹拌直前に水を足して、ポタージュくらいの濃度にゆるめます。

先に多めの水で煮て、そのまま回しても、もちろんスープにはなりますが、茹でたような水っぽさが仕上がりに出る。野菜自身が持つ水分も使いながら煮ていくと、味は一段深まるような気がします。

ショウガはすりおろしたものを仕上げに加えます。手ですりおろすので十分ですが、私はハンドミキサーを使います。細かく切って半分ほど回したら、水を大さじ2程度加えてさらに回し、60gのペーストにします。

ショウガは長時間煮込むと苦味が出るので、加えてからは軽く煮る程度に留めるのもコツです。ショウガの皮は剥いてからおろします。ニンジンの明るい色を邪魔したくないので。

味のバランスをとるのは、塩とショウガとオレンジの搾り汁。分量に書いてある全量を一度に加えず、8割がた加えてから、残りで、自分の好きなバランスに調えていくことをおすすめします。ニンジンは立派な大きなものより、小さな若いニンジンが風味もやさしくて、味のコントロールがしやすい。見つけたら、臆せず買って、挑戦してみてください。


野菜使いの極意

<素材選び>

ニンジン

大きいとニンジン特有の香りが強いことがあるので小さなニンジンで作るほうが風味のコントロールがしやすい。

<道具選び>

ル・クルーゼ

野菜のスープを作る時、いつもル・クルーゼの琺瑯びきの鍋を使用している。安定した熱伝導とどっしり重い蓋で、野菜の風味を閉じ込めてくれるから。完成した時の鍋の中のやさしい風景もル・クルーゼならでは。愛用しているオリーブ色の鍋はもう20年近く使い続けている。

「ニンジンとショウガのスープ」材料と作り方

[材料](作りやすい分量)

ニンジンとショウガのスープの材料

ニンジン・・・小6本(250g)
タマネギ・・・小2個(160g)
ショウガ・・・40g
オレンジの搾り汁・・・10ml
塩・・・5g
ヒマワリ油・・・大さじ1
オリーブ油・・・少量

[作り方]
[1]野菜を切る

[1]野菜を切る

ニンジンとタマネギはそれぞれ皮を剥き、1cm厚さのイチョウ切りにする。

[2]野菜を炒める

[2]野菜を炒める

鍋にヒマワリ油と、塩をひとつまみ入れてから、弱火にかける。野菜に汗をかかせるように炒める。

[3]少なめの水で煮る

[3]少なめの水で煮る

油が全体に馴染んでつやっとしたら、野菜の8分目まで水を入れ、蓋をして柔らかくなるまで弱火で煮る。【POINT】最初から多めの水で煮ると風味が薄まるため、少なめの水で煮て、撹拌前に水を足してポタージュ状に。

[4]ショウガをすりおろす

[4]ショウガをすりおろす

野菜を煮る間にショウガの皮を剥いてすりおろす。時間が経つと変色するので、加える少し前におろすとよい。

[5]野菜の煮上がり

[5]野菜の煮上がり

野菜が柔らかく煮上がった状態。串を刺して、スーッと入ればよい。

[6]再び水を加える

[6]再び水を加える

このまま撹拌するとペースト状になるため、濃度調整のための水を250ml加える。

[7]撹拌する

[7]撹拌する

ハンドミキサーで滑らかなポタージュ状に撹拌する。

[8]ショウガを加える

[8]ショウガを加える

のショウガを汁ごと加え、塩4gとオレンジの搾り汁を加えて混ぜ合わせる。【POINT】塩とショウガとオレンジの搾り汁は、最初から全量加えず、まず8割加えて、残り2割で加減しながら味を調えるとよい。

[9]軽く煮る

[9]軽く煮る

残りのショウガと塩、果汁で味を調え、1分ほど弱火にかけて全体を軽く煮る。【POINT】ショウガを加えてから煮すぎると苦味が出るので、軽く火を入れる程度にする。

ニンジンとショウガのスープ

(雑誌『料理通信』2018年5月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)


東京・東中野「ビスポーク」の店舗情報


ビスポーク
東京都中野区東中野1-55-5
☎03-5386-0172
17:30~22:00(水、木、金曜)
9:00~15:00(日曜 ※ブランチメニュー)
月、火、土曜休
JR、都営線東中野駅より徒歩1分
Instagram:@bespoque

※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

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