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RECIPE

アメリカ東海岸リンゴ農家のおやつ

アップルサイダードーナッツ

レスキューレシピ【リンゴ編】

Feb 10, 2022

photographs by Tsunenori Yamashita

日本の食品ロス量は年間570万トン*と言われています。生鮮食品においても、豊作で余ったり、規格外、傷、スレがあって売り物にならず、行き場のない食品が日々廃棄されているのです。なんと、もったいない! 生産者が丹精込めて作った食材を無駄にしないための食材活用レシピをシェフに教わります。2月は、リンゴで作るスイーツレシピを4回に渡って紹介。“訳アリフルーツ”でもおいしく作れますよ!
*農林水産省「日本の食品ロスの状況(令和元年度)」

教えてくれたシェフ
東京・水天宮「ブーランジェリー・ジャンゴ」川本宗一郎さん

1973年生まれ。東京出身、幼少期をブラジル、フランスなど海外で過ごす。グラフィックデザイナーからパンの世界へ転身し、千葉、都内数店で研鑽を積む。2010年東京・江古田に「ブーランジェリー・ジャンゴ」を開業し、19年に現店に移転。ビーツを練りこんだ赤い「ビーツ」など、クリエイティブなパン作りで知られる。


生のリンゴをピュレにして加える、季節限定ドーナッツ

日本ではあまり馴染みのない「アップルサイダードーナッツ」。「アップルサイダー」と呼ばれるリンゴの無濾過ジュースを使ったドーナッツで、アメリカ東海岸のリンゴ産地では、収穫時期に作られる農家のおやつだ。アメリカンダイナーでも定番の存在である。

「ブーランジェリー・ジャンゴ」のシェフ、川本宗一郎さんがアップルサイダードーナッツを作り始めたのは、「NYダイナー」がテーマのイベントがきっかけだった。「僕も食べたことがなかったので、アメリカからいくつか持ってきてもらって試食して。その時に評判が良かったから、お店でも出し始めました」

当初は、季節限定の商品だった。「元々、日本のヨモギ餅のように、季節の味を楽しむお菓子。生のリンゴをブレンダーでピュレ状にして使います」。が、思いがけず「あれ、ないの?」と言われることが増え、通年で用意するように。リンゴがない時期はバニラを加えたリンゴジャムとリンゴジュースを半々に合わせて使う。

ざっくりとおおらかに作りたい、アメリカンなお菓子

ガリッとした表面の食感と香ばしさはケーキ生地ならでは。型抜きをした生地は冷凍しておけばいつでもすぐに揚げられ、揚げ時間も短い。必要になってから商品棚に出すまでのタイムラグが短くて済むので、重宝する存在だ。窯が常時フル回転のパン屋さんにとって、窯を使わずに火入れできるメリットも高い。ラインナップの一つに入れておくと、売れ行きに合わせて品数を調整するのにも活躍する。

冷凍した生地は解凍せずに直接油に入れてOK。よく膨らむよう表面に切り込みを入れてから揚げるのがポイントだ。

「アメリカンな家庭のお菓子だから、細かいことを気にしなくても大丈夫。家にある粉や材料を使って、気軽に作ってみてください」

アップルサイダードーナッツの極意


・旬のリンゴをピュレにして使う
・揚げる前に切り込みを入れ、ザクザク感を

「アップルサイダードーナッツ」材料と作り方

【材料】(作りやすい分量)
無塩バター・・・80g
グラニュー糖・・・110g
ピュレ状にしたリンゴ(紅玉)・・・160g(2個分)

<材料A>
中力粉・・・240g 
強力全粒粉・・・160g 
ベーキングパウダー・・・12g 
スキムミルク・・・12g 
塩・・・2g

シナモンパウダー、ナッツメグ・・・各少量
全卵(M)・・・2個
綿実油・・・適量

<仕上げ>
グラニュー糖、シナモンパウダー*……適量
*混ぜ合わせておく。

【1】バターと砂糖を湯煎にかける

薄く切ったバターとグラニュー糖をボウルに入れ、湯煎にかけて溶かす。

【2】リンゴをピュレにする


リンゴの皮をむいて芯を取り除き、ざく切りにした後、ハンドブレンダーやフードプロセッサーでピュレ状にする。

【3】粉類を混ぜる

材料Aをボウルに入れてゴムべらで軽く混ぜ、シナモンとナッツメグを好みの量(2:1の割合が目安)加えて混ぜ合わせる。

【4】卵を加える

【1】のバターが完全に溶けたら、砂糖が馴染むまで泡立て器でよく混ぜる。全卵を加えて、さらに混ぜ合わせる。

【5】リンゴのピュレを加える

【4】に【2】のリンゴのピュレを160g入れて、しっかり混ぜ合わせる。

【6】粉と液体を合わせる


【3】の粉類のボウルに【5】を一度に加え、ゴムべらでこねないように混ぜ合わせる。

【7】混ぜすぎない

粉気が残っている状態で止める。

【8】冷蔵庫で休ませる

ラップで【7】を包み、厚さ3センチ程度の板状にまとめる。生地が型抜きしやすい硬さになるまで冷蔵庫で冷やす。

【9】生地を伸ばす

冷蔵庫から出した生地に打ち粉をして、麺棒で12㎜厚に伸ばす。

【10】型で抜く


直径78㎜、穴の直径38㎜の型に打ち粉を付けながら抜く。この状態で冷凍すれば、4~5日保存できる。

【11】切り込みを入れる

ナイフで表面に1周切り込みを入れる。
POINT:揚げると、切り込み部分が割れてふっくら膨らむ。表面積が広がり、ザクザク感も増す。

【12】綿実油で揚げる

鍋に綿実油を熱し、180℃になったらドーナッツを2~3個ずつ揚げる。表裏を時々返して、こんがり焦げ色が付いたらOK。1個割って火通りを確認するとよい。

【13】シナモンシュガーをまぶす

粗熱を取り、仕上げ用のシナモンシュガーをまぶす。

外はザクッ、中はふわっと。食感のコントラストが魅力。リンゴピュレと全粒粉を加えたケーキ生地を香ばしく揚げて。ほのかな甘味が心地よく、止まらないおいしさ。



◎Boulangerie Django
東京都中央区日本橋浜町3-19-4
☎03-5644-8722
8:30〜18:00
水曜、木曜休
東京メトロ水天宮前駅より徒歩6分
https://la-boulangerie-django.blogspot.com/
Instagram:@b_django

※新型コロナウイルス感染拡大等により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

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