「レクテ」 佐々木直歩シェフに教わる
トマトファルシ
パリっ子時代の思い出レシピ①
2015.06.01
photographs by Daisuke Nakajima
雑誌『料理通信』2015年7月号より「パリっ子時代の思い出レシピ」(P.72~73)をご紹介します。フランス人が家で食べている食事は意外にシンプルです。私たちが家で肉じゃがや焼き魚、カレーやパスタを食べるのと同じです。パリで修業したシェフに修業時代の思い出の味を教わりましょう。
トマトファルシ
フランス家庭料理の定番。ナイフを入れると旨味たっぷりの肉汁が溢れ出す。ファルスは3種の粗挽き肉を使って深い味わいと肉の歯応えを出し、食べ応えのある一品に。ナス(手前)やズッキーニなど他の夏野菜を使って作ってもよい。
【材料】 (6個分)
トマト(果肉が厚い品種)……6個
<ファルス>
牛肉、豚肉、鶏モモ肉の挽き肉(粗挽き)……各110g
パン粉……80g(食パンでもよい)
牛乳……適量
卵……1個
エシャロット(みじん切り)……大1個
タイム、バジル、パセリなどハーブ数種(粗く刻む)……各適量
塩、コショウ、ナッツメグ……各適量
トマトの中身(ざく切り)……6個分
材料(A)
エシャロット(みじん切り)……適量
タイム……1本
オリーブ油、トマトペースト、塩、コショウ……各適量
<バターライス>
鍋にバター40gを溶かし、タマネギのみじん切り(適量)を炒める。米(3合)を洗わずに加えて炒め、米と同量のチキンブイヨンを注いで沸騰させる。蓋をして炊く。
【作り方】
(1)トマトはヘタから1cmを切る。中身をくり抜き、内側に塩をふって10分程度逆さにする。(ヘタと中身はとっておく)
Point: 塩をふり、余分な水分を取り除く。
(2)ファルスを作る。パン粉は牛乳でふやかしておく。ボウルにすべての材料を入れて手で混ぜる。
Point: 練りすぎない。粘り気は出さない。
(3)(1)のトマトにファルスを詰める(1個あたり60g程度)。スプーンなどで押しながら詰め、こんもりと盛る。
(4)煮崩れを防ぐため、周りをアルミホイルで巻く。ヘタをかぶせ、耐熱皿に並べ、200℃のオーブンで約30分間焼く。
(5)ソースを作る。鍋に油をひき、材料(A)を炒め、トマトペーストを加える。トマトの中身、塩、コショウを加え、半分の量に煮つめる。
(6)(4)は、途中で焼き汁を表面にかける。火が通ったら皿に盛り、バターライス、ソースを添える。
ナスのファルシ
【材料】(6個分)
ナス……6個
挽肉のファルス(トマトファルシのレシピ参照)……適量
ニンニク(みじん切り)……1片
タイム……適量
オリーブ油……適量
塩、コショウ……各適量
(1)キャビア・ド・オーベルジーヌを作る。 ナスは縦半分に切り、皮近くまで深く、格子状に切れ込みを入れる。
(2)天板に並べ、ナスの表面にオリーブ油、ニンニク、タイム、塩、コショウをふりかける。200℃のオーブンに約15分間入れ、中まで完全に火を通す。
(3)スプーンなどでナスの中身をくり抜き、粗く叩く。皮は取っておく。
(4)ボウルに(3)のキャビア・ド・オーベルジーヌと、同量のファルスを加えて混ぜる。ナスの皮にこんもりと詰める(1個あたり約40g)。
(5)耐熱皿に並べ、200℃のオーブンで表面がこんがり色づき、中に火が入るまで約20分間焼く。途中、焼汁を表面にかける。
佐々木直歩シェフ
1973年生まれ、福島県いわき市出身。「ル・ジャルダン・デ・サヴール」を経て渡仏。9年間の滞在中、パリ「アピシウス」「オ・ボナクイユ」などで研鑽を積む。帰国後、「ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ」「ル・ジュー・ドゥ・ラシエット」「ヌーヴェルエール」を経て17年4月から現職。
◎レクテ
東京都渋谷区恵比寿西2-17-5 サンビレッジ代官山2F
☎03-6415-5100
11:30~12:30LO 18:00~20:30LO
水曜、第1・第3木曜休
東急線代官山駅より徒歩5分
www.recte.jp
雑誌『料理通信』2015年7月号
「家でも、店でも、自家製しよう!vol.2」 掲載
「パリっ子時代の思い出レシピ」
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