HOME 〉

FEATURE / MOVEMENT

「旧ヤム邸シモキタ荘」に教わるスパイスカレー いなりSUSHI by Calrose

2019.07.05

text by Kyoko Kita / photographs by Tsunenori Yamashita

日本の伝統食から国際食へと発展を遂げている「すし=SUSHI」。
独創的なアイデアでカレー文化を盛り上げる東京・下北沢「旧ヤム邸シモキタ荘」が、
カリフォルニア産のおコメ、「カルローズ」を使って、「スパイスカレーいなりSUSHI」を提案します!


スパイスカレーの発想をいなりに転換

巷やメディアが密かに注目する「カレーいなり」。さて、それをスパイスカレーブームの旗手が手掛けるとどうなるか!?

バイマックルーの香りが爽やかなタイカレー風の海老いなり、スパイシーなマリネ液に漬けた〆サバを混ぜたアチャール(インドの漬物)いなり、味は本格的なスパイスカレーながら、細かく刻んだゴボウの和の香りが揚げと親和するキーマいなり。全く異なる3種の具材と酢飯を、ほんのり甘じょっぱい揚げが底知れぬ包容力で「いなりSUSHI」という新しいスタイルに仕立て上げる。「旧ヤム邸シモキタ荘」の藤田一也さんはそれを「いなりマジック」と言う。「どんなものでも揚げに包むといなりずしとしてちゃんとまとまるんです」。

「 旧ヤム邸シモキタ荘」藤田一也 店長



「いなりずし」という形態の手軽さや親近感はそのままに、食べればスパイスの香りが弾け、辛、旨、甘、酸、苦味が複雑に調和して、国に縛られない新しい味の世界が展開される。その驚きと楽しさは、酢飯と具材の食感や味わいがくっきりと輪郭を持つことで一層際立つ。それを可能にするのが、大阪店での提供経験から「カレーとの相性が良い」と太鼓判を押すカリフォルニア産のおコメ「カルローズ」だ。
「酢飯として使っても、粘りが少なくてべたつかないので混ぜやすいですね。適度な弾力と軟らかさで存在感があり、一粒一粒がしっかりとスパイスの香りや味をまといます」。カレーのおいしさを底支えする油との相性もよく、軽い食べ心地に仕上がるため、つまみやスナック感覚で食べられる。イベントやパーティのフィンガーフードにも最適だ。

「セオリーに捉われず、よい意味で想像を裏切るのが当店のカレー」と藤田さん。揚げに個性豊かなスパイスカレーを詰める遊び心は、カルローズの力でより鮮やかに花開く。



カルローズってどんなおコメ?
日本米などの短粒種に比べて長くて大きく、「カリフォルニアのバラ」という意味の名前を持つ、ジャポニカ系の中粒種です。軽い食感が特長で、サラダ使いはもちろん、カレーやスープなどとも好相性。アジアから地中海、西欧料理まで、アイデア次第でおコメ料理の可能性を広げます。





スパイスカレーブームの旗手が考案!
“スパイスカレーいなり”&“いなりキーマカレー”

個性引き立つ3 種のスパイスカレーいなり
アジアン海老いなり (写真上)
グリーンカレーの爽快な辛さを揚げの甘味がやさしく包む。酢飯に混ぜたバイマックルーと香菜がアジアの香りを添える。
カレー鶏そぼろいなり (写真左)
ゴボウの香りと食感がアクセントのオーソドックスなカレー味のそぼろ。噛む度弾けるクミンの香りと、甘じょっぱい揚げが相性抜群。
〆サバアチャールいなり (写真下)
ベンガル料理に多い魚とマスタード油の組み合わせを揚げに詰めた。スパイシーで、〆サバの酸味と仕上げのショウガが爽やか。



MENU ON NEWS!
◎ 3種のスパイスカレーいなり
2019年7月5日(金)~19日(金)まで、東京「旧ヤム邸シモキタ荘」
にて、3種のいなりが個数限定でオン・メニューされます(土曜、日曜、祝日を除くディナーのみ提供)。



いなりキーマカレー
身近な材料を使って短時間で作れるキーマカレー。スパイシーな中に揚げの甘味がじわりとしみる。挽き肉たっぷりだが、酢飯をレモン&ターメリック風味にすることで軽やかに。

いなりを作った際に残る油揚げの真ん中を細かく刻んで他の食材と炒めれば、スパイスいなりキーマに大変身。また一味違った新感覚の“いなりSUSHI”が楽しめます。





MENU ON NEWS!
◎ いなりキーマカレー
2019年7月1日(月)~31日(水)まで、東京「旧ヤム邸シモキタ荘」大阪「旧ヤム鐡道」にて、いなりキーマカレーがオン・メニューされます(東京はランチのみ、大阪は営業時間内提供)。





<Recipe>

◎ アジアン海老いなり
▶材料(約8個分)
【 酢飯 】
カルローズ……1.5合
(A)
 ・リンゴ酢……大さじ2
 ・砂糖……小さじ2
 ・塩……小さじ1/2
バイマックルー(筋を取りせん切り)……4枚
香菜(みじん切り)……適量
【 揚げ 】
油揚げ……8枚
(B)
 ・水……300ml
 ・砂糖……大さじ2
 ・スイートチリソース……40g
 ・ナンプラー……20g
 ・レモングラス(細く裂く)……約5㎝
【 具材 】
グリーンカレーペースト……40g
ショウガ(すりおろし)……15g
剥きエビ……250g
タケノコ(薄切り)……120g
【 仕上げ 】
シシトウ(小口切り)……少量

▶ 作り方
【 酢飯を作る 】
軽く水洗いしたカルローズを、やや硬めに炊く。
1に合わせた(A)、バイマックルー、香菜を混ぜ合わせる。
【 揚げを作る 】
両端から約5㎝幅に切った油揚げ(中数㎝分は他の料理に活用)を2~3分茹でて油を抜き、水にとって絞る。
鍋に(B)を合わせ、軽く火にかける。
別の鍋に3を並べて4を注ぎ、中火にかける。煮立ったら落とし蓋をし、弱火にして10分程煮る。煮汁ごと冷ましておく。
【 具材を作る~包む 】
フライパンにキャノーラ油(分量外)を少量入れて弱火にかけ、グリーンカレーペーストを炒めて油と馴染ませる。
ショウガ、剥きエビ、タケノコを加えて強火にする。水分が飛び、しっかりと具材に味が入るまで炒めたら火を止め、粗熱を取る。
27を加え、ざっくりと混ぜ合わせる。
5の煮汁を絞り、軽く丸めた8を詰めて形を整える。仕上げに剥きエビ(分量外)とシシトウを飾る。



CALROSE POINT→→敢えて混ぜムラを残す
全体が均一に馴染むと、味や食感にメリハリがなくなってしまうため、酢飯と具材はざっくり混ぜる程度にし、あえてムラを作る。





◎ カレー鶏そぼろいなり
▶材料(約8個分)
【 酢飯 】
カルローズ……1.5合
(A)
 ・米酢……大さじ2
 ・砂糖……小さじ2
 ・塩……小さじ1/2
クミンシード……3g
白炒りゴマ……3g
【 揚げ 】
油揚げ……8枚
(B)
 ・だし汁……300ml
 ・砂糖……大さじ4
 ・醤油……大さじ3
 ・みりん……大さじ1
【 具材 】
鶏挽き肉……250g
長ネギ(みじん切り)……100g
ゴボウ(みじん切り)……40g
ニンジン(みじん切り)……20g
ショウガ(すりおろし)……5g
ニンニク(すりおろし)……5g
(C)
 ・ターメリック……2.5g
 ・コリアンダーパウダー……3g
 ・クミンパウダー……3g
   ・カイエンペッパー……少量
 ・カルダモンパウダー……少量
 ・ガラムマサラ……5g
 ・塩……小さじ1
  【 仕上げ 】
カイワレダイコン……少量

▶ 作り方
【 酢飯を作る 】
軽く水洗いしたカルローズを、やや硬めに炊く。
1に合わせた(A)、クミンシード、白ゴマを混ぜる。
【 揚げを作る 】
「アジアン海老いなり」の35と同じ要領で揚げを作って冷ましておく。
【 具材を作る~包む 】
フライパンにキャノーラ油(分量外)を多めに入れて火にかける。温まったら長ネギを入れて炒める。しんなりしたらショウガ、ニンニクを加えて炒め、さらに鶏肉を加え炒める。
(C)を加える。全体が馴染んだら火を強めて、根菜を加え、火が通るまで炒める。粗熱を取っておく。
25を混ぜ合わせる。
3の煮汁を絞り、軽く丸めた6を詰めて形を整える。仕上げにカイワレダイコンを飾る。





CALROSE POINT→→米と具材の食感の対比
カルローズはやや少なめの水分量で、適度な弾力があり粒が立った状態に炊く。根菜の食感が残るよう、具材は煮込まず炒める。





◎ 〆サバアチャールいなり
▶材料(約8個分)
【 酢飯 】
カルローズ……1.5合
(A)
 ・マスタード油……小さじ1
 ・豆板醤……4g
 ・レモン汁……大さじ2
 ・きび砂糖……大さじ1
キュウリ(みじん切り)……1本
青唐辛子(みじん切り)……適量
【 揚げ 】
油揚げ……8枚
(B)
 ・鰹だし汁……300ml
 ・砂糖……大さじ4
 ・醤油……大さじ3
 ・みりん……大さじ1
 ・カレー粉……小さじ2
【 具材 】
〆サバ(1㎝角)……半身2枚(約260g)
塩……小さじ2
キビ砂糖……小さじ2
ショウガ(すりおろし)……5g
パプリカパウダー……6g
カイエンペッパー……3g
クミンパウダー……1つまみ
ブラックペッパーパウダー……1つまみ
レモン汁……大さじ2
【 仕上げ 】
ショウガ(せん切り)……少量

▶ 作り方
【 酢飯を作る 】
軽く水洗いしたカルローズを、やや硬めに炊く。
1に合わせた(A)、キュウリ、青唐辛子を混ぜ合わせる。
【 揚げを作る 】
「アジアン海老いなり」の35と同じ要領で揚げを作って冷ましておく。
【 具材を作る~包む 】
アチャールの材料をすべて混ぜ合わせる(前日に作っておくとなおよい)。
24を加え、ざっくりと混ぜる。
3の煮汁を絞り、軽く丸めた5を詰めて形を整える。仕上げにショウガを飾る。



CALROSE POINT→→油で香りを付ける
独特な香りを持つマスタード油を酢飯に混ぜる。スパイスや青魚との相性がよく、エキゾチックな風味が仄かに加わる。





◎ いなりキーマカレー
▶材料(約5皿分)
豚挽き肉……1㎏
残ったいなりの揚げ(ざく切り)……5枚分
油……150ml
マスタードシード……10g
赤唐辛子……2本
(A)
 ・長ネギ(粗みじん切り)……200g
 ・ピーマン(粗みじん切り)……50g
 ・セロリ(粗みじん切り)……100g
ショウガ(すりおろし)……大さじ2
ニンニク(すりおろし)……大さじ1
トマト(ざく切り)……1個
(B)パウダースパイス
 ・ターメリック……15g
 ・コリアンダー……20g
 ・クミン……30g
 ・カイエンペッパー……3g
 ・グリーンカルダモン……4g
 ・クローブ……5g
 ・フェヌグリーク……4g
インゲン(2㎝長さに切る)……150g
シメジ(石づきを取り、ほぐす)……1株
水……300ml
(C)
 ・塩……20g
 ・砂糖……10g
 ・醤油……25g
 ・料理酒……25g
ミョウガ(ざく切り)……100g
酢飯*……適量
カイエンペッパー、粗挽きブラックペッパー、カスリメティ……各適量

*2019年7月1日(月)~31日(水)、東京「旧ヤム邸シモキタ荘」、大阪「旧ヤム鐡道」でのいなりキーマカレーのオン・メニューの際は、カルローズを使用した瀬戸内レモン酢ライスを提供します。

▶ 作り方
鍋に油を引き、マスタードシードと赤唐辛子を入れて強火にかける。
マスタードシードがパチパチと弾け出したら(A)の野菜を加えて全体がしんなりするまで炒める。
ショウガ、ニンニクを加えて香りが立つまで炒める。
トマトを加えてさらに炒める。
弱火にして(B)のパウダースパイスを加え、粉気が無くなるまで混ぜる。
豚挽き肉、揚げ、インゲン、シメジを順に加えて炒め合わせる。
水と(C)の調味料を入れて軽く煮込む。
ミョウガを加えてひと煮立ちさせ、火を止める。
酢飯と共に器に盛り、仕上げにカイエンペッパー、粗挽きブラックペッパー、カスリメティを飾る。

POINT→→カレーに加える揚げの味付けによって、違う味わいに仕上がるのも魅力。揚げの味の濃さを加味して、好みで塩分濃度を調節するとよい。







◎ 旧ヤム邸シモキタ荘
東京都世田谷区代沢5-29-9
ナイスビル 1F
☎03-6450-8986
11:30~14:30LO
18:00~21:30LO
(土曜、日曜、祝日11:30~15:00LO、17:30~21:30LO)
火曜休
小田急線、京王線下北沢駅より徒歩7分
https://twitter.com/kyuyamshimokita





第7回「カルローズ」料理コンテスト2019


カルローズを使ったレシピで競い合う「カルローズ」料理コンテスト。去年に引き続き「SUSHIカルローズニュースタイル」をテーマに、第2弾として「SUSHI サラダスタイル」のメニューを募集しています。従来のすしの概念にとらわれない、アイデアレシピをご提案ください。応募受付は2019年7月31日(水)まで。詳しくは下記HP内参照。
www.usarice-jp.com/pro_contest_2019





「カルローズ」に関するお問い合わせ



◎ USAライス連合会 日本代表事務所
☎ 03-3292-5507
www.usarice-jp.com/







料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。