夏バテ気味の胃袋に「ズズズのサラダ」
パワーオフ・レシピ
2024.07.04
text by Michiko Watanabe / photographs by Tsunenori Yamashita
連載:パワーオフ・レシピ
エアコンの使用などで家庭での電気使用量が急増する夏。一人ひとりがエネルギー消費の節約に取り組むことが気候変動抑制につながることから、電気やガスを使わなくてもおいしく作ることができる「パワーオフ・レシピ」をシェフに教わります。今回は「ズズズのサラダ」。ズズズとは一体・・・!? 途中まで仕込んで冷凍しておけばさっと作れるので、暑さで料理をする気力や食欲がない日にもおすすめの一品です。
目次
教えてくれた人:東京・外苑前「パロル」桜井莞子さん
仕込んでおけば3分で作れる
「あったかい店を作りたい」。桜井莞子さんが10年前、再び店を始める時に思ったことだ。ポイントは「おだし」と「季節感」。
ちょっとでも疲れをとってあげたい。今の時期ならではのものを食べさせてあげたい。この「何かしてあげたい」という気持ち。お店だけれど、お母さんみたいな愛情がある。客も、お母さんに甘えるみたいに「何か食べさせて」とすんなり言える。ここには安全で安心な、心底ホッとできる料理がある。
厨房も家庭の台所程度の最小限の装備。だからこそ料理を手早く作る工夫が満載だ。だしはペットボトルに入れて片手で扱えるように。冷凍保存できるものは、時間のある時にせっせと仕込む。冷凍、冷蔵、常温など、いろんな段階の作り置きをする。もちろん、お客の顔を見て一から作り始めるものも。そうやって何段階にも分けてあるから、段取りよく出すことができる。
まさに、家庭料理のプロ中のプロの店である。
「ズズズのサラダ」材料と作り方
[材料](1皿分)
<仕込み>
大和芋・・・60g
かつおだし・・・大さじ1
白だし・・・大さじ1
醤油・・・少量
<仕上げ>
カブ(薄切り)・・・1個半
フレンチドレッシング・・・小さじ1
醤油(白だしも可)・・・少量
クレソン(ざく切り)・・・3 本
【仕込みのコツ】
大和芋は下味をつけて一人分ずつ冷凍
すりおろした大和芋は冷凍保存可能。解凍時間が短くなるよう平たく冷凍するのがコツ。
だしはポットに
一番だしと二番だしを毎日とってポットへ保存。忙しい時もお玉を使わず片手でさっと注げて、置き場所を選ばない。
[作り方]
[1]仕込み
大和芋をすりおろし、調味料で下味をつける。ジッパー付き保存袋に入れて冷凍する。
[2]カブを切る
カブは皮を剥き、一口大の薄切りにする。小さなボウルに入れ、軽く塩をしてしんなりさせる。
[3]調味する
別のボウルに解凍した大和芋を入れ、フレンチドレッシングと醤油で味を調える。
[4]仕上げる
カブを加え混ぜ、最後にクレソンを加える。
「ズズズのサラダ」の完成。ネーミングの妙にまず拍手。だしがベースのしっかりめの味つけ。野菜同士の組み合わせで味をまとめます。カブとクレソンの代わりに、エシャロット(4~5㎝の長さの薄切り)とピーマン(繊維を絶つようにスライスし、軽く湯通しして氷水につけて水気を切る)を和えても美味。ズズズとすすってどうぞ。
東京・外苑前「パロル」の店舗情報
◎パロル
東京都港区南青山2-22-14 フォンテ青山101
☎03-6434-5959
18:00~21:00LO
土曜、日曜、月曜休
東京メトロ外苑前駅1b出口より徒歩1分
Instagram:@nomiya_parole
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
(雑誌『料理通信』2015年12月号掲載)
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