「技術・文化を伝承する」
インカント 小池教之 Noriyuki Koike
2014.10.01
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店名
インカント/incanto
2007.9.7 シェフ就任 インカントのページを見る
1972年9月2日生 / 埼玉県出身 / A型
麻布十番「ラ・コメータ」(6年)、「パルテノペ」(2年半)などを経て、03年渡伊。ピエモンテ、トレンティーノ=アルト・アディジェ、プーリア、シチリア、カンパーニャ、ウンブリアで計7軒、約3年間修業を積む。06年、帰国後六本木のリストランテで現店オーナーソムリエの竹石航さんと出会い、翌年「インカント」オープンと共にシェフに就任。
FAVORITE
音楽 : イタリアン・ポップス
本 : 料理、歴史、紀行など
映画 : 『ライフ・イズ・ビューティフル』
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カタツムリのモリーニ ディ トリオーラ村風 ヒヨコ豆粉のファリナータ添え
2500円
ワインの旨い土地にはカタツムリ料理あり。リグーリア州モリーニ・ディ・トリオーラ村の定番料理だが、シェフは徹底して臭みを取る。ヒヨコ豆を水とオリーブ油で練り、鉄板でふっくら焼いたファリナータも同州の料理。
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大麦で仕立てた貝と春野菜のティエッラ
1800円
プーリアやバジリカータ周辺で食べられる「ティエッラ」は、米とジャガイモをムール貝のだし汁で炊くのが定番。今回は米でなく大麦でプチプチとした食感を出し、日本で旬のアサリ、空豆や菜の花など春野菜の苦味を加えた。
必要とされるためのキーワード
土着の料理を磨き込む。
土着の料理を磨き込む。
- イタリアの郷土料理、と言っても小池教之シェフが見てきたのは日の当たる名物料理ではない。国境沿いの村で、山の食堂で、地元の人が食べていた土着の料理だ。
しかしここは南麻布、クロスも上質なリストランテである。オーナーソムリエである竹石航さんのマニアックなワインと組みつつ、土着をどう表現するか。
「料理としての質や完成度を高める。“現地らしく”は“そのまま”だけではない。色褪せないよう磨き込み、更新していくんです」
シェフいわく、郷土の伝統料理とはクラシックカーのようなもの。古き良きものも、放っておけば錆びがつく。必要ならパーツを替え、磨き込むことで未来につなげることができるのだ。必要なのは、どこが錆びているのか、替えるべきパーツは何かを見極める目。彼は伝統こそが未来を作ると信じ、延べ3周、イタリアの土着を見て回った。「世の風向きで方向性を変えるより、強い風でも倒れない土台を」とは、伝統の伝え方を常に模索し修業してきた人の言葉である。
text by Naoko Ikawa / photographs by Daisuke Nakajima
インカント 東京都/広尾 インカントのページを見る
住所 | 東京都港区南麻布4-12-2 ピュアーレ広尾 2F |
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電話番号 | 03-3473-0567 |
営業時間 | 18:00~22:00 LO(土曜、祝日21:30 LO)、オステリアタイム22:00~24:00 LO(土曜、祝日21:30~23:00 LO)、ワインバー~翌1:00(土曜、祝日23:00) |
定休日 | 日曜、第1月曜休 |
カード | 可 |
座席 | 全26席(うちカウンター6席) |
タバコ | 禁煙 |
アクセス | 東京メトロ広尾駅より徒歩7分 |
URL | http://incanto.jp |
備考 | 夜6800円、おまかせコース7500円、アラカルトあり(税込・サ別) 【WINE】 グラス赤白計20種以上1100円~、ボトル5000円台~ |
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