「新しいスタイルを提示する」
ベベック 坂井 剛 Go Sakai
2014.10.01
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店名
ベベック/bb9
1975年10月24日生 / 東京都出身 / 型
1994年、エコール辻東京校卒業。表参道のイタリアン「エル・トゥーラ東京」(1年)で修業。96年、イタリアに渡り、エミリア・ロマーニャ、ウンブリア、ベネト各州の店で計1 年働く。97年帰国。「エル・トゥーラ東京」に戻り、その閉店後「カメレオン」の立ち上げから1年半働く。2004年西麻布「ビンゴ」、「リストランテ・ヒロ」各店などのヘルプをするうちに関西へ。09年スペインに渡り、バスク地方の「エチェバリ」他で働く(1年)。帰国後、イタリアンやケータリング、出張料理教室を経て、11年に現店オープン。
FAVORITE
音楽 : ヒップホップ。仕込み中はラジオでFM
本 : 特になし。強いて言えば漫画なら何でも。疲れている時にも読めるので。
映画 : 子供の頃から観ていた『仁義なき戦い』など、やくざ映画。
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チストーラの薪焼き
コース料理より(昼夜共1コース)
バスク地方の燻製ソーセージを腸詰めにせず、生のまま薪の熾き火で表面だけ焼く。落ちた脂分で上がる煙を軽くまとわせ、牛乳と水、塩、オイルで炊いたポレンタにのせる。ねっとりとした食感の中から、パプリカのスパイシーさと燻香が立ち上がる
■ 前店「NUDA」での仕事
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m & m
コースの1品
豆&豆。季節の豆をサヤから出し、柔らかい粒だけを選び、軽く茹で、薪窯の上段でサッと焼く。豆が膨張した瞬間で止めるのがポイント。燻香をまとわせた茹で汁を少量かけ、豆の甘さを引き立てる。
必要とされるためのキーワード
熾き火を操る。
熾き火を操る。
- スペイン・バスク地方の「エチェバリ」といえば、“薪焼き”に特化した独自のスタイルで、世界中から注目を集める名店。ここで1年間修業した坂井剛さんが、「アラン・シャぺル」出身のサービス・西川正一さんとともに開いたのが「NUDA」だ。「エチェバリ」シェフも公認の“薪焼き”スタイルを踏襲する。2〜3時間かけて赤く熾した薪がすべての要。網焼きに、窯に入れてオーブンに、時にはその燻香を調味料として、熾き火を巧みに操り、素材の持ち味を引き出す。アスパラガスは甘くてジューシー。明石蛸は絶妙な火入れで旨味がほとばしる。バター、アイスも燻香をまとい、“薪焼き”の1 品として存在感を放つ。シンプルかつ未体験の小皿が次々繰り出され、驚きの連続。焼きと香りの魔力に虜になる。
最先端の調理器具を用い、計算し尽くしたデジタルな火入れも少なくない中、料理人のアナログな勘がすべて。この原始的な火入れは、「NUDA= 裸」の店名通り素材のすべてをさらけ出す。今一番古くて新しいスタイルと言えそうだ。
text by Yoko Soda / photographs by Kazunori Ogoshi
ベベック/bb9 兵庫県/元町
住所 | 兵庫県神戸市中央区元町通3-14-5 |
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電話番号 | 078-331-6780(完全予約制) |
営業時間 | 昼12:00スタート 夜18:00、19:00、20:00スタート |
定休日 | 水曜休、不定休 |
カード | 可 |
座席 | 全12席 |
タバコ | 禁煙 |
アクセス | 元町駅より徒歩3分 |
URL | http://asador-bb9.com |
備考 | おまかせのみ 昼・夜9180円(税込・サ別) 【WINE】グラス白赤各3種864円~、ボトル5184円~ |
- 「2012年05月100人のシェフが考える「必要とされる店」になるために」 掲載
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