薩摩から世界へ。食中酒としての可能性を探るジャパニーズ・ウイスキー「KANOSUKE(嘉之助蒸溜所)」×「Orby Restaurant」
2025.07.18

1957年、世界に通用する焼酎を目指し、ウイスキーやブランデーを参考に米焼酎を樽に貯蔵して長期熟成させ、発売した鹿児島の焼酎蔵「小正醸造」。進取の気鋭に富んだ二代目、小正嘉之助の「世界へ」の挑戦を受け継ぎ、2017年に始動したのがクラフト・ジャパニーズウイスキー「KANOSUKE(嘉之助蒸溜所)」だ。

美しい夕日を臨む鹿児島県・日置市の海に面する蒸溜所で造られる「シングルモルト嘉之助」「嘉之助 HIOKI POT STILL」「嘉之助 DOUBLE DISTILLERY」「嘉之助シングルモルト PEATED」の4種のウイスキーを、ザ・コンランショップ 東京店に併設した「Orby Restaurant」で食中酒として楽しむイベントが開催された。
アルコール度数の高い蒸溜酒を、コース7皿、KANOSUKEウイスキーがベースのペアリング6杯という構成でどう飲ませるか?
紺野真シェフと岩城悠太シェフ、カクテル担当の遠藤泰地さんは、4種のウイスキーと料理のパーツとなる野菜、魚介、肉、果物といった素材とソース各種を実際に食べ合わせ、そこからカクテルレシピと料理を考案していった。

フラッグシップの「シングルモルト嘉之助」は生のトマトとの相性がよかったからと、トマトのクラリフェとメロンの冷たいスープ仕立てにズワイ蟹を合わせ、「ペルノー ライム×シングルモルト嘉之助」のカクテルで爽やかにスタート(Top画像)。

鰹の燻製とビーツの風味にピート香が合うと、「嘉之助シングルモルト PEATED」はブルーベリーワイン(デラウェア) 、黒文字茶、アールグレイのカクテル仕立てに。

ブレンデッドウイスキーの「嘉之助DOUBLE DISTILLERY」はクリームソースとの相性が抜群。ズッキーニのスライスを貼り付け蒸した平目と、セップ茸を詰めた花ズッキーニを添え、「アーモンドミルク、牛乳とミントの泡 ×嘉之助DOUBLE DISTILLERY」のカクテルで相乗効果を生む。
まるでパズルをはめるようなペアリングは、数々のワインメーカーズディナーでペアリングを手掛けてきた紺野シェフの真骨頂。食中酒としてのKANOSUKEウイスキーの可能性を十分感じさせるものだった。

◎嘉之助蒸溜所
https://kanosuke.com/
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