たっぷりのキノコと根菜にまろやかなソースが絡む「豆乳と根菜のフリカッセ」
レスキューレシピ【冬野菜編】
2026.01.15
photographs by Sai Santo
連載:レスキューレシピ
日本の食品ロス量は年間464万トン*と言われています。生産者が丹精込めて作った食材を無駄にしないための活用レシピをシェフに教わる連載「レスキューレシピ」。今月は冬野菜のおいしい食べ方を紹介します。2回目は、肉を使わずたっぷりの根菜とキノコの旨味を活かしたヘルシーなクリーム煮込み(フリカッセ)です。
*農林水産省「食品ロス量(2023年度推計値)」(前年度比-8万トン)」
目次
教えてくれた人: 東京・麻布台「エイタブリッシュ」和田仁美さん
ヴィーガンの人もそうでない人も共に楽しめる料理で国内外からゲストを集める「エイタブリッシュ」シェフ。 和食店やイタリア料理店で10年以上重ねた実績は、ケータリングにも活かされている。「エイタブリッシュ」の前身、「カフェエイト」の立ち上げ時からシェフを務め、料理からスイーツ、加工品の開発・監修まで手掛ける。
キノコや根菜類から出る旨味を活かす
冬になるとおいしくなる根菜類をたっぷり食べたい時におすすめなのが、「豆乳と根菜のフリカッセ」です。肉は一切使いません。肉や魚、動物性タンパク質を使わない料理は、ともするとあっさりしすぎて、物足りなさを感じがちです。けれどいくつかのポイントを押さえれば、満足感のある味になります。
まず、①油をやや多めに、②ハーブやスパイスを2~3種類、そして③キノコや根菜、豆類など、だしの出るものを多めに使うこと、この3つです。今回の「豆乳と根菜のフリカッセ」も、最初に冷たいオリーブ油にニンニク、ローリエ、ローズマリー、タイムなどを入れ、弱火で油に香りを移して、それを、次に加える野菜類にまとわせていきます。最初に使う油が少ないと、野菜を順次炒めていく際、乾きすぎることがあるので、その時は少しずつオリーブ油を足してください。
使う野菜は、だしの出るものを多めに。マッシュルームやエリンギなどのキノコ類や下茹でして加えるレンコンなどの根菜類も、ほっこりした旨味を補います。皮と実の間は旨味が強いので、うちではできる限り有機のもので、皮ごと使います。
炒めた野菜は、小麦粉を少量加え、馴染むまで炒め合わせます。これは最後に加える豆乳に短時間でとろみをつけ、分離させないようにするため。鍋をゆすりながらわずかに出てくる水分としっかり絡ませてください。こうすると、滑らかなスープに仕上がります。
素材の旨味を損なわないよう、煮込みすぎにも注意が必要です。フリカッセの場合、野菜の下茹で時間を除けば、煮込み時間は約2~3分程度。だから、一つひとつの素材の味がクリアに感じられます。温かい前菜にしてもいいし、ボリューム感があるのでメインにもなります。
「豆乳と根菜のフリカッセ」の材料と作り方
[材料](2~3人分)
タマネギ(4㎝のくし切り)・・・大1個
ホワイトマッシュルーム(丸ごと)・・・9個
エリンギ(ひと口大)・・・太め3本
ジャガイモ・・・大2個
レンコン・・・こぶし大1
カブ(くし切り)・・・大きめ2つ
豆乳・・・300ml
オリーブ油・・・55~60ml
A ローリエ・・・2枚
ローズマリー、タイム・・・各2枝(10㎝程度のもの)
ニンニク(スライス)・・・1片
塩、コショウ・・・各適量
白ワイン・・・50ml
小麦粉・・・小さじ2
ハーブは複数組み合わせる
動物性の食材が入らない料理には、ハーブは大事な要素。ローリエ、タイム、ローズマリーは良く使う組み合わせ。
[作り方]
[1]根菜を下茹でする
ジャガイモは皮を剥いて、レンコンは皮付きのままひと口大のくし切りにし、鍋にかぶるくらいの水と一緒に10~15分程度、串がスッと通るまで茹でる。
[2]ハーブの香りを油に移す
鍋にオリーブ油とAを入れて火にかける。最初は中火で、ふつふつ泡立ち始めたら弱火におとし、香りをしっかり移す。
[3]タマネギとキノコを炒める
タマネギを加え、弱めの中火で透き通るまで炒める。キノコを加えて炒め合わせる。
[4]ワインと粉を加える
カブを加えて炒め合わせたら、白ワインを加え、アルコール分を飛ばす。小麦粉を加え、野菜から出る水分と馴染ませるように炒める
[5]残りの根菜を加える
ジャガイモ、レンコンを加え全体に粉のとろみを絡めるように炒める。【POINT】こまめに鍋を振り、ヘラで返しながら、弱火で素材を炒めていくと、徐々に水分が染み出す。このわずかな水分をしっかり引き出すことが大事。
[6]豆乳を加える
豆乳を加え、2~3分煮込む。塩、コショウをして味を調える。
調味はほぼハーブとニンニク、塩のみ。素材の旨味を引き出した優しい味。クリームシチューのようなソースは、言われなければ豆乳とは気づかないほどまろやか。
(雑誌『料理通信』2019年3月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)
東京・麻布台「エイタブリッシュ」の店舗情報
◎エイタブリッシュ
東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA 2F
☎03-6432-0288
11:00~19:00
不定休
東京メトロ神谷町駅5番出口直結
https://www.8ablish.com/
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
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