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JOURNAL / 世界の食トレンド

国産にこだわる魚好きオージーに朗報!魚介類の原産地表示が義務化

Australia [Sydney]

2026.08.31

国産にこだわる魚好きオージーに朗報!魚介類の原産地表示が義務化

text by Akiko Ganivet
シドニー市近くの回転ずし店でも、魚介類の原産地がはっきりわかるように。A=オーストラリア産、I=輸入品、M=混合を意味する。

2026年7月1日から、オーストラリアの飲食店で、魚介類の原産地表示が義務化された。レストランやカフェなどではメニューの改訂作業が進められており、消費者は提供される魚介類が豪州産か輸入品かを、これまでより容易に確認できるようになった。鮮魚店やスーパーなど小売店では、すでに約10年前から原産地表示が義務付けられていたが、今回その対象が飲食店にも広がったことで、できるだけ豪州産を選びたい消費者にとっては追い風となりそうだ。

この制度は、国内業界団体が約10年にわたり導入を求めてきた取り組みが実現したものだ。飲食店のメニューには、豪州産(A)、輸入品(I)、混合(M)のいずれかを表示することが義務付けられた。オーストラリアで消費されるシーフードの半分以上は輸入品とされるが、これまでは産地を表示しない飲食店も多く、消費者にとっては産地がひと目でわかる仕組みが整ったと言える。

豪州政府による、A・I・M表示の説明ポスター
豪州政府による、A・I・M表示の説明ポスター。

対象は店内飲食にとどまらず、テイクアウトや宅配、オンラインメニューにも及ぶ。ただ、7月下旬時点では対応が完了していない飲食店も少なくない。現時点では表示がなくても直ちに罰則が科されないことがその一因とみられる。また、A・I・Mの意味が十分に周知されていないため、「スタッフに尋ねなければわからない」と戸惑う消費者の声も聞かれる。オーストラリア海洋保全協会(AMCS)は、この制度を大きな前進として歓迎する一方、記号だけでは十分な情報に基づく選択は難しいと指摘している。

オンラインメニューには、「M」のマークと共にその意味「混合」も併記
チェーン店「寿司ハブ(SUSHI HUB)」のオンラインメニューには、「M」のマークと共にその意味「混合」も併記されている。
ビーチサイドの飲食店のメニュー
大手「メリベール」が手がけるビーチサイドの飲食店のメニュー。価格帯が高いせいか「A(国産)」が多い。

一方、飲食店側からは懸念の声も上がる。人件費などコストの高い豪州産シーフードを提供し続けることは経営上の負担が大きいほか、「ニュージーランド産の新鮮な魚を扱っていても、『I(輸入品)』と表記することで消費者に敬遠される可能性がある」と不安を示す事業者もいる。

もっとも、A・I・Mの表示だけでは、漁獲地域や天然・養殖の区別、さらに漁獲・養殖方法まではわからない。消費者の「知る権利」は一歩前進したものの、より詳しい情報を求める人にとっては物足りなさが残る制度でもある。それでも、産地を知ったうえで商品を選ぶ文化が広がれば、オーストラリアの食卓はより透明性の高いものへと変わっていくのかもしれない。

飲食店のテーブル
「まずはオイスターとスパークリングを頼む」という外食好きなオージーにとって、国産を選べるというオプションは嬉しい。

business.gov.au(オーストラリア連邦政府の産業・科学・資源省によるビジネスポータル)
https://business.gov.au/seafoodlabels

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