ワイナリー経営にジェンダーの壁はない!女性リーダーの経営力を裏付ける調査結果が発表
Italy [Verona]
2026.07.27
text by Sayaka Miyamoto
ヴィニタリー2026に集結した全国女性ワイン協会「ドンネ・デル・ヴィーノ」の面々。
「女性が経営するワイナリーは収益性が高い」。そんな興味深い調査結果が、2026年4月にヴェローナで開催された世界最大規模のワイン見本市「ヴィニタリー(VINITALY)」で発表された。
この調査は、CREA(イタリア国立農業研究・農業経済調査機構)と、生産者、ソムリエ、醸造家、ジャーナリスト、レストラン経営者など、ワイン業界で活躍する女性たち約1,250名が所属する全国女性ワイン協会「レ・ドンネ・デル・ヴィーノ(Le donne del vino)」が共同で行なったもの。
その結果明らかになったのは、オーナーや経営責任者として女性が率いるワイナリーは、男性が営むワイナリーとほぼ同等の経営上の特徴を見せている、つまり規模(共に平均13.5ヘクタール)に始まり、業務の組織化や機械化のレベルに至るまで、ほとんど差異が見られないということだった。その上で、2021〜23年の3年間で女性経営のワイナリーは、平均収益が5%高かったという結果が判明したのだ。
女性が発揮するリーダーシップには「多様な能力を統合する力」「強固な組織を構築する力」「ビジネス、人材、地域社会を結びつける力」が特に強いということも調査によって明らかになった。調査対象となった女性経営者による企業のうち75%が持続可能性に重きを置いているというデータも特徴的だ。そんな女性リーダーの能力を発揮した新しい経営スタイルが、カリスマオーナーによるワンマン経営が目立っていたイタリアワイン界の古い体質に新しい風を吹き込みつつある。
ロンバルディア州にあるワイナリー「ペルラ・デル・ガルダ(Perla del Garda)」のオーナーであり、ロンバルディア州全てのワイン組合をまとめるアスコヴィーロ組合会長ジョヴァンナ・プランディーニさんは、「ワイン業界における私たちの存在は、単に専門知識を統合したり人的資本を活かす能力においてだけ価値があるのではなく、何よりも、女性が企業にもたらしている視点の転換にこそ意義があると思います。時代遅れとなった偏見や先入観を払拭し、新しくて活力のある戦略の再構築を可能にしているのです」と話す。
ワイン業界に限らず、未だジェンダー格差が存在するこの世界で、企業経営の在り方に新しい道筋を示してくれる調査結果となった。
◎Le donne del vino
https://ledonnedelvino.com