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RECIPE

【食のプロの台所】ひらめきが生まれる場所

「visionary scheme Riu」オーナー 坂東龍治

2026.09.24

text and photographs by Koji Nakano

連載:食のプロの台所

台所は暮らしの中心を占める大切な場所。使い手の数だけ、台所のありようがあり、その人の知恵と工夫が詰まっています。徳島で什器やアクセサリーの制作を手掛ける坂東龍治さんのキッチンに置かれるのは、経年変化を感じる唯一無二の家具の数々。料理しながら、呑みながら、アイデアが生まれる場所です。


坂東龍治
徳島にある、小さな平屋を住宅兼アトリエにした「visionary scheme Riu」オーナー。カフェ等の店舗什器やオリジナル家具、生活雑貨、アクセサリーの制作販売を行う。さまざまなジャンルの出店者が集う「十九番寺市」「REVITAMARKET」「よんくるIBASHOマーケット」、酒のイベント「サケマツリ」 など県内で多数のイベントを主催。
Instagram:@_riu_

(TOP写真)
木と鉄を巧みに組み合わせたテーブルや椅子などオリジナル家具を配置したキッチン。飾り棚やシェルフ、カトラリーも龍治さんの手によるもの。昔のものが好きで古いラジカセやボータブルレコードからさりげなくBGMが流れる。

経年変化の愉しみ

古い記憶を思い出させてくれるような懐かしい居心地よさがあるのはどうしてだろう。中央のテーブルは、もとは引き出し付きの木製机。これに鉄製の脚とキャスターを組み合わせて伸長。東欧のインテリアかと思ったその上の灯りはかつて工場で使われていたランプシェード。家庭電源で使えるように100V仕様のソケットに付け替えた。古い椅子をリペアしたり、カスタマイズしたり。インテリアに興味があって、趣味が高じて仕事に。

「昔のものとか、錆びた鉄、朽ち果てた木に魅力を感じますね。経年変化するものはふたつと同じものがないので。それを使って、その場にジャストサイズの家具を作りたくて」

台所は大体年1回のペースで模様替えを。「片付けが苦手で。だから料理する時の動線をよくしたり、道具や材料を出し入れしやすいように工夫しています」。もうひとつは仕事柄、ここで打ち合わせすることも多く、「素材やサイズ感などを実際に確認できるギャラリーとして見せる台所を心掛けています」。

夜は作家仲間の器に手作りの料理を盛り、付き合いのある職人が醸した酒とともに愉しいひとときを。「料理をしていたら、生活雑貨を作るヒントになりますね」。味わい深い形のカトラリー、ワインコルクを使った鍋敷き、ビールの王冠を使ったマグネット(フック付き)など、台所はひらめきが生まれる場所なのだ。

カッティングボードやペーパーフィルターホルダーなど、台所で生まれた生活雑貨たち。
ワイングラスラックもオリジナル。ホーローや缶など、シンク周りは使い勝手を重視した見せる収納に。

(雑誌『料理通信』2019年9月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)

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