卵の殻で軽量するおばあちゃんのスローな作り方「ザバイオーネ」
スロー・レシピ:「グシテ」西尾章平さん
2026.11.05
text by Kaori Funai / photographs by Akihito Shimomura
連載:スローレシピ
材料をイチから用意し、時間をかけて、料理すること自体をゆっくりと楽しむ。それが“スローなレシピ”。時短とは真逆の価値観の先に、とびきりの味が待っています。今回はイタリアのドルチェを代表する甘いソース「ザバイオーネ」をご紹介します。
目次
教えてくれた人:大阪・天満橋「グシテ」西尾章平さん
オーナーシェフの西尾章平さん。2016年に現店を開き、10皿前後のおまかせ料理とナチュールワインで予約のとれない人気店に。2024年には天満宮近くに「中今(なかいま)」をオープン。日本酒や焼酎のほか、クラフトジンなどの蒸留酒とアテが楽しめる。
付きっきりで混ぜて、滑らかな質感へ
9カ月間、住み込み修業したピエモンテ州のトラットリア「マルスピーノ」のノンナ(おばあちゃん)の味が僕の「ザバイオーネ」です。
通常はマルサラ酒で作りますが、ピエモンテ州では甘口微発泡ワイン、モスカート・ダスティを使います。現地の人は食後に、このワインとドルチェを楽しんで、飲みきれなかったボトルは厨房に返ってくる。それをためておいて使うんです。
ワインの分量は、卵を6個使うなら半割りにした卵の殻6杯分。3個なら3杯、簡単でしょ(笑)。でも少しの時間、付きっきりで作業を。滑らかな質感にするため、湯煎にかけてヘラで混ぜ続け、固まりそうになったら火から外して混ぜる、の繰り返し。
できたてのザバイオーネは、サヴォイアルディなどビスコッティにかけて味わって。深いコクがありながら微発泡ワイン特有の軽やかなタッチと、マスカットの爽やかさが広がります。冷やせばセミフレッドのソースにも活用できますよ。
<味づくりのポイント>
卵の殻を酒の計量カップとして利用
砂糖1: 卵黄1: 酒1 のうちモスカート・ダスティは卵の殻半分を1 杯と換算。「ノンナはいつも“一番きれいに割れた殻を選んでね”と」。
布を挟んで湯煎にかける
鍋底に布を敷き、弱火で湯煎し続けることで優しく熱を加える。ヘラで混ぜ続ける際、この布が滑り止めにもなり、一石二鳥。
「ザバイオーネ」の材料と作り方
[材料](作りやすい分量)
卵黄・・・6個
砂糖・・・大さじ6
モスカート・ダスティ・・・卵の殻6杯分
サヴォイアルディ・・・3本
(硬いビスコッティでも可)
[作り方]
[1]卵黄と砂糖を合わせる
ボウルに卵黄と砂糖を入れる。
[2]もったりするまで混ぜる
ハンドミキサーで白くもったりするまで攪拌する。
[3]モスカート・ダスティを加える
割った卵の殻にモスカート・ダスティを6杯分注ぎ入れ、2に加える。
[4]湯煎にかけながら混ぜる
3を湯煎(弱火)にかける。もったりとしてくるまで、絶えずヘラで混ぜ続ける。
[5]ヘラの跡が残る状態まで混ぜる
固まりそうになったら湯煎から外し、温度を微調整しながら混ぜる。ヘラの跡が残る状態になったら湯煎から外す。【POINT】熱が高すぎると炒り卵状になるので要注意。
[6]サヴォイアルディにかける
皿にサヴォイアルディを置き、5を流しかける。
[7]完成
滑らかなクリームは、ビスケットにかけるだけで特別感のあるドルチェに。
(雑誌『料理通信』2019年1月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)
大阪・天満橋「グシテ」の店舗情報
◎グシテ
大阪府大阪市北区天満2-7-1 末澤ビル
☎06-6809-7376
月~土曜18:00~24:00
日曜14:00~22:00
木曜休、月1回不定休
京阪・谷町線天満橋駅より徒歩5分
Instagram:@gucite_table_cave
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
掲載号はこちら