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環境を意識した食への関心が高まる昨今。農業生物多様性の研究に取り組むコペンハーゲン大学のスヴェン・エリック・ヤコブセン氏は、「肉消費を削減しつつ代替えできる何かを、植物界から見つけ出す必要がある」と、20年にわたり、キヌアの北欧の地での栽培適合性を研究してきた。キヌアはタンパク質が豊富で、必須アミノ酸、鉄、カルシウム、オメガ3などの脂肪酸も含む優れた植物である。しかも丈夫で、痩せた土地でも栽培しやすい。
農学者でエコロジー栽培のカウンセリングもするペール・モーディグ氏は、2009年、当時のスウェーデンでは珍しいレンズ豆などマメ科の栽培に着手した農家。新しいもの好きでキヌアの栄養価にも着目した氏は、2016年にキヌア栽培に取り組んだ。
当初は、生育が早すぎて質が良くないのが問題だったが、種の改良により解決。「実が小さいため、脱穀し、何回もふるいにかけて大きさを揃え、機械による洗浄でよりきれいな状態にします」。商品化には苦労が伴うが、今回の収穫に手応えを感じているようだ。
写真はSvD新聞2017年9月26日号より
(『料理通信』2018年2月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Fagraslättt
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text by Jin sakiko
JOURNAL / 世界の食トレンド
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