イタリアの3ツ星シェフも愛用
世界のシェフを刺激するハナマルキ「液体塩こうじ」 vol.2
2019.10.15
text and photographs by Masakatsu Ikeda
ミラノから車で1時間ほど、ベルガモ近郊ブルサポルトにある「ダ・ヴィットリオ」は1966年創業の老舗レストラン。2010年以来ミシュラン3つ星を維持しており、魚介料理においてはイタリア一といわれている。その「ダ・ヴィットリオ」が日本ならではの“発酵技術”とハナマルキ「液体塩こうじ」に注目。イタリアのジャーナリストやシェフを招待した限定食事会が行われた。
ミラノから最も近い3つ星レストラン「ダ・ヴィットリオ」は周囲をぶどう畑に囲まれた、ベルガモ郊外の田園地帯にある。創業者である故ヴィットリオ・チェレア氏とブルーナ夫人が魚介専門のレストランとして1966年に営業を開始。当時ミラノ近郊では流通の問題から魚介を食べる習慣がほとんどなかったが、ヴィットリオ氏はヴェネツィアの漁師と契約して新鮮な魚介類を入手することに成功。するとその評判はまたたく間に広まって1978年にミシュラン一つ星を獲得。1996年に二つ星を獲得した後2010年にはついて3つ星を獲得するのだが、その栄誉を見ることなくヴィットリオ氏はこの世を去った。しかし、創業以来50年以上経った現在もヴィットリオ氏とブルーナ夫人の5人の子供達が「ダ・ヴィットリオ」を引き継ぎ、大きく発展させたのだ。
「ダ・ヴィットリオ」が日本のハナマルキ「液体塩こうじ」に注目
エグゼクティブ・シェフの「キッコ」ことチェレア家の長男エンリコ・チェレア氏は来日経験も豊富で、日本料理にも精通しており、イタリアを代表するトップシェフのひとり。そのエンリコ氏が現在注目しているのがハナマルキの「液体塩こうじ」だ。
今回は地元ベルガモやミラノからジャーナリストやシェフ、料理関係者を招待しハナマルキ「液体塩こうじ」を用いた新しいレシピのお披露目会ともいえる、限定食事会が行われた。北欧ガストロノミーの影響もあり、ミラノを中心とした北イタリアでは自家発酵料理が非常に盛んだ。果物や野菜、穀物などを発酵させ、従来存在しなかったさまざまな香りを料理にとり入れる手法は、北イタリアのトップシェフがこぞって取り入れている。そんなムーブメントもありエンリコ氏は日本発の調味料ハナマルキ「液体塩こうじ」の可能性に注目したのだ。
食事会当日「ダ・ヴィットリオ」に集まったのはイデンティタ・ゴローゼのジャーナリスト、ガブリエレ・ザナッタ氏やワイン評論家オラツィオ・ヴァニョッツィ氏、ミラノの注目店「セリカ」の中国人シェフ、チャン・リウ氏らイタリア料理関係者15名。2階にある専用キッチンを備えたプライベート・ダイニング・ルームに揃った招待客は、ハナマルキ「液体塩こうじ」を使ったどんなイタリア料理が登場するのか、わくわくしながら開始を待った。
今回エンリコ氏が使用する「液体塩こうじ」は通常タイプと減塩タイプの2種類で、いずれも原材料は米、水、塩のみ。味噌にも使われている米こうじが持つ酵素がタンパク質と反応すると旨味を、デンプンと反応すると甘みを引き出す効果があるだけでなく臭み、酸味を抑える効果もある。エンリコ氏は前菜からドルチェまで、この日のために7皿全て「液体塩こうじ」を使ってメニューを構成。難しかったのはマリネする時間だったという。量は少な過ぎても多過ぎてもいけない。まだまだ完璧でない料理があるかもしれないが、時間や経験を積めばさらに使い方もよくなると思う、とのことだ。
「庭園仕立ての栗とフォワグラ ハナマルキ『液体塩こうじ』マリネ」
「液体塩こうじ」でマリネしたフォワグラ。通常7〜8時間マリネするところ、今回は1時間と大幅に作業時間を短縮することができたという。最初に登場したこの料理がいたく気に入ったのはワイン評論家のオラツィオ氏で「このフォワグラの滑らかさは信じられないね」と何度も褒めていた。
「マグロのスパゲッティ」
脂の少ないマグロの赤みを「液体塩こうじ」でマリネしてからジュリエンヌにし、パスタ状に盛り付けた。漬けにしたかのようなマグロのなめらかさと甘みが際立つ。「ダ・ヴィットリオ」のスペシャリティは、「液体塩こうじ」でマグロをマリネした新バージョン。普段よりもさらに滑らかな食感に仕上がった。
「ハナマルキ『液体塩こうじ』でマリネしたスカンピのグリル」
大ぶりの手長海老は、新鮮にもかかわらずこれもとろけるようなテクスチャーでシャキシャキのレタスとのコントラストが心地よい。「液体塩こうじ」は甲殻類にも効果があった、とエンリコ氏。新鮮なのにとても柔らかいテクスチャーが一堂に驚きを持って迎えられた。
「ラヴィオリ・プリン、ハナマルキ『液体塩こうじ』とカボチャのスプーマ」
手打ち詰め物パスタ、ラヴィオリ・プリンの中に青カビチーズを詰め、カニとカボチャと「液体塩こうじ」で甘いスプーマに。そのソースに加え、「液体塩こうじ」をスプーマにして添えるというドルチェ・サラートの大胆な組み合わせ。
「ポルチーニ茸のリゾットとハナマルキ『液体塩こうじ』でマリネした鳩のカルパッチョ」
鳩は非加熱で、標準タイプの「液体塩こうじ」で10分間マリネ。鳩を生で使うと鉄分も感じるし血が多いので難しいが、「液体塩こうじ」で10分マリネすることで独特の味と食感を生み出した。火を入れず「液体塩こうじ」でマリネして鳩独特の臭みを消す手法を披露。
「牛肉のブラザータ、プラムとハナマルキ『液体塩こうじ』のジェラティーナ」
柔らかく煮込んだ牛スペアリブにプラムと「液体塩こうじ」で作ったジェラティーナをソース代わりにかぶせた肉料理。ジャガイモのピューレも「液体塩こうじ」で味付け。「液体塩こうじ」とプラムジュースをゼラチンで固めて肉とあわせ、ジャガイモのピューレにもバターと「液体塩こうじ」を使い、その相性の良さには全員脱帽。
「りんごのミッレフォッリエ、ハナマルキ『液体塩こうじ』のカラメル・ムース」
パイ生地の間に挟んだホイップ・クリームには減塩タイプの「液体塩こうじ」を使用。塩キャラメル風味のイタリア式デザート。「ドルチェにも使えるのか!!」とイタリア人からは驚きの声もあがった。ジャーナリストのガブリエレ氏は「こうじって味噌や日本酒作りに作る日本独特の発酵食品でしょ?それをイタリア料理に使うのはとても興味深いし、実際に美味しいね」とコメントしてくれた。食事会の最後に、エンリコ氏はハナマルキ「液体塩こうじ」の可能性についてにこのように語ってくれた。
「わたしはこれまでも日本の食材や調味料を使ってきましたが、『液体塩こうじ』は初めての経験でした。ペースト状の米こうじは以前から知っていましたが液体化したことでとても料理に使いやすい。しかも標準と減塩、2タイプあるのもいい。いまやイタリア語にもなっている「UMAMI=旨味」がありますし、マリネに使うと肉や魚などのタンパク質を柔らかくする効果があります。特に魚に使うとは熟成を加速してくれるので非常に便利です。それに今回は生クリームに加えてドルチェに使いましたが、甘み、苦味、塩味のコントラストはとても興味深い。これからもっと使い込むことで完璧な分量や黄金比率を見つけ出したいですね。」
◎ イタリア ベルガモ 「 Da Vittorio(ダ・ヴィットリオ)」
Via Cantalupa, 17 24060 Brusaporto (BG) Italy
Tel 035 681024
ランチ 12:00~14:30(月休)
ディナー 19:00~22:30(日・月休)
※但しバカンスシーズンなど季節による変更あり
https://davittorio.com/
ハナマルキ「液体塩こうじ」とは?
米こうじと塩を丁寧に熟成させた塩こうじをギュッと搾って液体に。塩こうじの効果はそのままに、使いやすさを格段にアップ。非加熱製法による“生きた酵素”が、素材の風味や食感に様々な効能をもたらします。
商品に関するお問合せ先
◎ ハナマルキ株式会社
(Free Dial)0120-870780
9:00~17:30(土・日・祝祭日を除く)