シェフたちの畑仕事~小さくて強い畑は、どう作る? vol.2 市民農園~「ラ クチーナ イタリアーナ ダル マテリアーレ」植村慎一郎シェフの場合
1970.01.01

photographs by Daisuke Nakajima
田植え会や稲刈り体験などに参加すれば参加するほど、「自然相手の農作業、生半可な気持ちじゃ取り組めない」。プロの農家さんへのリスペクトが湧いてきます。そのリスペクトを大前提にしながらも、「やれる範囲で、畑仕事をやってみたい!」と思うもの。
そこで、「半農・半シェフ」の皆さんの畑作りの実例をリポートします。シェフたちの肌にもご注目ください。(皆、日焼けした精悍な顔立ち!日々の畑仕事の賜物です)
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家族、農園仲間に助けられ、少しずつ成長中!
植村慎一郎シェフは、代々木八幡駅至近に小さなリストランテを妻と2人で営んでいます。現在は、妻&子供2人と家族総動員で畑を切り盛り、大奮闘の毎日を送っています。
◎半農歴
2007年 義母の畑(市民農園)を、妻と手伝い始め、畑仕事に目覚める。
2008年 義母の畑の移転に伴い、空いた敷地を借り受け、市民農園スタート。
◎畑の師匠
義母(市民農夫歴、数十年のベテラン)。市民農園の先輩(慣れない作業に奮闘中、自身の作業の合間に手を差し伸べてくれた)。

通路を挟んで、左側にレタス、バジル、右は手前から長ネギ、バジル、ジャガイモ(ほぼ収穫終了)。
その奥に支柱立てをしてあるのがカボチャ、キュウリ。その間にバジル。
10坪の有機露地栽培。土づくりは、栽培する野菜によって様々ですが、耕起した後は、元肥に消毒の役割も含めて苦土石灰、鶏糞(主に根菜類に)、油かす(主に葉野菜類に)などを配合し、適宜成長に合わせて追肥していく、という形をとっています。画面左端~帽子の男性(カメラマン)までの間のスペースが畑。作業通路にはタオルを敷き、雑草の繁茂を防ぎます。
また、梅雨~夏にかけての畑は湿気が多く、カボチャなどは地を這わせると、実が痛んだり、病気が回りやすいので、垣根立てして空中に実を生らせています。これらみな、市民農園の先輩から教わった知恵、とのこと。

この市民農園の一番の長所は、井戸から農業用水が汲めること。
シェフは毎朝8時前後に水やり、除草、時に収穫など、日々の畑仕事をこなしてから、我孫子駅9:00発の電車で、保冷バッグ(収穫袋)を膝にのせて出勤。妻は家の仕事をこなしつつ、7:00~8:00に畑仕事、11:00~16:30は店に立っています。

市民農園の隣には立派な森が。空気もひんやり。この道を抜けて義母の畑へ。


義母の畑。賑やかに繁っているのは、ベテランのなせる技。有機露地栽培。

畑の作付けレイアウト。こうしたメモは、日々の作業管理から植え替え時期等の検討、来年の作付けのプランにとても役立つそうです。


バジルは虫が食いやすいのと、強すぎる日当たりに弱いので、垣根立ての作物(キュウリやトマトなど)の間に植え、葉影を作ってやるとよい。
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