GALBANI ASSAGGIAMO! ガルバーニ通信
vol.1 リコッタ x 「ヴォーロ・コズィ」西口大輔シェフ 編
1970.01.01
text by Mieko Sueyoshi / photographs by Hide Urabe
日伊のプロが愛用する「ガルバーニ」のチーズ。
現地の味を、体で知っているシェフに、その魅力を引き出す料理を教えていただきます。
5回に渡る連載の初回は、リコッタの登場です。
2006年のオープンから10周年を迎える「ヴォーロ・コズィ」の西口大輔シェフに、リコッタチーズの魅力が詰まった1品を、教わりました。
極薄の生地が、リコッタの甘味を引き出します。
1882年創業の老舗ブランド「ガルバーニ」。その高度な品質管理と伝統製法から生まれるイタリアチーズは、世界中のプロや食通に愛されれています。今回紹介するのは、ミルキーな甘味と上品な口溶けが特徴のフレッシュチーズ、リコッタ。
「 リコッタは日が経つにつれ離水するので、水を絞って使うこともありますが、ガルバーニのリコッタは鮮度が良いため離水がない。そのため前菜、パスタ、ドルチェと幅広く使えます」。そう言う西口シェフが作るのは「リコッタチーズとホウレン草のラヴィオリ」。塩茹でしたホウレン草に同量のリコッタチーズ、少々のグラナ・パダーノを加え、極薄の生地で包みます。生地は手が透けて見えるくらいの薄さ。暑い季節にふさわしい軽やかな食感です。さらにソースは溶かしバターとチーズでシンプルにすることで、リコッタの繊細な甘味を最大限に生かしています。
「 ラヴィオリは、生地が水分を吸って破れてしまわないよう、詰め物の水分量が重要ポイント。リコッタに水分が多ければグラナ・パダーノを増やしますが、ここではその必要がない。その分リコッタのほんのり甘いミルキーな味わいが十分に生かせました」。
ホウレン草とリコッタに小麦粉を混ぜてニョッキに仕立ても良いそう。他にもプロシュートコットにのせたりブロッコリーに混ぜてタルトにしたり。そのままでおいしい質の良いリコッタはバリエーション豊富なつまみにも有効です。
Ravioli di Ricotta e Spinaci al burro fuso
~リコッタチーズとホウレン草のラヴィオリ~
シェフの技がわかる動画付きのレシピはコチラから!
生地[材料](約1.5 kg分)
中力粉(リスドオル)…… 800g
セモリナ粉 …… 200g
塩 …… ひとつまみ
卵黄 …… 8個
全卵 …… 5個
オリーブ油 …… 少量
[作り方]
1. ボウルに中力粉とセモリナ粉をふるわずに入れ、塩を加えて混ぜる。溶いた卵黄と全卵、オリーブ油を加えて手で練り、全体がしっかりまとまったら、すぐに真空パックにし、冷蔵庫で一晩寝かせる。
2. 1をパスタマシンで極薄に伸ばす。手をあてると透けるくらいが目安。打ち粉(中力粉)をした台の上にのせる。
3. 生地が乾かないよう、右半分をたたみ、布巾を重ねる。生地の左半分に3㎝間隔で、絞り袋から詰め物を絞り出す。親指の先くらいの量が目安。
4. 右半分の生地を左半分に折り重ね、詰め物の両脇を、右手の小指の側面と、左手の人差し指で押し、重ね合わせる。
5. 型でくり抜く。
6. ラビオリの周囲を指で挟んで薄く伸ばす(詰め物をして薄く伸びた中央部と厚みを揃える)。詰め物の周囲に残った空気は、爪楊枝を刺して抜く。バットに布巾を重ね、セモリナ粉を敷きつめた上に並べる(中力粉だと詰め物の水分を吸ってくっついてしまう)。
詰めもの(ラビオリ34個分)
[材料]
ガルバーニ リコッタ …… 100g
ホウレン草 …… 100g
グラナ・パダーノ(削る) …… 大さじ1.5
ナッツメグ …… 少量
塩、コショウ …… 各少量
[作り方]
1. ホウレン草を軽く塩茹でし、みじん切りにする。
2. 水気を絞ってボウルに入れ、グラナ・パダーノ、ナッツメグ、塩、コショウを加えて混ぜる。絞り袋に入れる。
仕上げ(1皿・ラビオリ9 個分)
[材料]
無塩バター …… 25g
パスタの茹で汁(塩分量1%) …… 20㎖
グラナ・パダーノ(削る) …… 大さじ1
[作り方]
1. フライパンを火にかけ、バターを溶かし、茹で汁を加える。
2. たっぷりの湯を沸かした鍋にラビオリを入れ、浮かびあがってきたら(約1分弱)1のフライパンに移し、グラナ・パダーノを加えて全体を和える。
今回のレシピに使用しているチーズは、ガルバーニ リコッタ250gです。
シェフの技を、動画でチェック!
Column 僕とイタリアチーズの想い出
「ヴォーロ・コズィ」西口大輔シェフ
「リコッタはイタリア全土で使われます。ローマでは羊乳、ピエモンテでは牛乳、原料乳の違いで味わいが異なり、熟成や燻製させたものもあります。ロンバルディアのリコッタはまろやか。オリーブ油とリコッタのソースをかけた茹でアスパラガスや、ミートソースとリコッタをのせて焼いたカルチョフィなど季節野菜の前菜にもよく使いましたね。」
◎Volo Cosi ヴォーロ・コズィ
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