NYの人気ビストロ「Buvette(ブヴェット)」がやって来た!
1970.01.01
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photographs by Hide Urabe
レポート
BuvetteはNY版“街の小食堂”
「朝8時から(週末は11時から)深夜2時までの通し営業で、好きな時に好きな使い方ができるんですね。朝食を食べに来る人もいれば、昼下がりのひと時をマドレーヌと紅茶で過ごす人もいる。小さなお店だけれど、時間帯によっていろんな表情を持っているんですよ」と語るのは、「Buvette」をよく知るTaste of America 2015 運営事務局の村上由さん。村上さんの言葉から、「Buvette」が“街の小食堂”として地域に根を張っている様子が窺えます。
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入口では、NYの店の様子を伝える写真が飾られていました。
ハートウォーミングな料理
オーナーシェフのジョディ・ウィリアムズさんはサンフランシスコで育ち、イタリアでの6年の修業のほか、フランスでも経験を積み、また、世界を旅する中で現在のスタイルを確立しました。
キャロット・ラペやラタトゥイユ、コック・オ・ヴァンといったフレンチ惣菜を、大皿のシェアスタイルか、逆に小皿スタイルでサーブします。料理人修業をみっちり積みながら、あえて家庭料理的なアイテムを、家飲みやバル飲みのようなラフさで提供するあたりが、食べ手に「あったかい」と感じさせる所以かもしれません。
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食前酒は、ブラディ・マリー(今、NYで流行だそうです)、アペロール、カンパリソーダ、レモネード(ノンアルコール)。
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鴨のリエット。ざっくりとした盛り付けが素敵です。
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キャロット・ラペには、砕いたピスタチオがふんだんに混ぜ込まれて、美味!
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クロック・ムッシュはしっかり焼き込んだガツン系。
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ビーツのサラダ。サワークリームに柑橘が効いています。
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ポワローのサラダ。ジョディさんの料理は素朴にしてお洒落です。
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ムール貝のファルシィ。パセリのソースがたっぷり。
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スペシャリテのコック・オ・ヴァン。意外にさらりとしていて、でも、味は深い。
「昔から作り継がれてきた食の文化を学び、伝統的な要素を抽出して取り入れる――それが、私の料理との向き合い方です。旅行していても、その土地で昔から食べられてきたものは何なのか、なぜ、それが食べてられているのか、いつも文化を見つめるようにしています」と語るジョディさん。料理を絵にたとえて語った次の言葉が印象的でした。
「私はアバンギャルドな抽象画を描くタイプではなくて、風景画を何度も何度も繰り返し描くタイプだと思うわ」。
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ムース・オ・ショコラは、スプーンで提供。
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ひとつ一つ、薄紙の袋に入ったマドレーヌ。
たくさんの手で磨かれたものへの愛
古い物を大切にしたBuvetteスタイルの魅力は、『料理通信』2011年10月号のアメリカ特集「店づくりのネタ本」でもご紹介しています。
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メニューブックやNYから持参してきたアンティークの置き物。
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「Buvette」のロゴとマーク。どこか懐かしい空気を湛えています。
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メニューもこんなに凝っているんですよ。
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どれをとっても愛嬌がある。そして、ぬくもりがあります。
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「ラシーヌ」のスタッフたちと連携を取りながら調理が進められました。
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「日本の食文化にも興味があるの」とジョディさん。
先を見つめるアメリカの若いシェフたち
ジョディさん自身は、今のアメリカの食事情をどのように見ているのでしょうか?
「アメリカでは何でも手に入るし、農業が巨大産業化している部分もあります。でも、最近のトレンドは、小さな農業ですね。誰がどんなふうに作ったかがわかる作物。そして、若いシェフたちは、環境問題に対して高い意識を寄せている。オーガニックは身体にいいよねといったこと以上に、もっと先を見つめています。とても心強いですね」
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このラフさがたまらなく食欲をそそります。
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厨房では厳しく、仕事を離れると優しく温かい。
◎Buvette
42 Grove St, New York, NY 10014
☎ +1 212-255-3590
8:00~2:00
無休
http://www.buvette.com/
◎RACINES MEATBALL & LOCAL TABLE
東京都中央区銀座5-7-10 EXITMELSA地下1F
☎ 03-6264-5971
11:00~23:00
無休
http://racines-ginza.com/