日本 [高知]
真夏に清涼感を届けるグリーンレモン
未来に届けたい日本の食材 #03 ハウスレモン
2021.04.12
変わりゆく時代の中で、変わることなく次世代へ伝えたい日本の食材があります。手間を惜しまず、実直に向き合う生産者の手から生まれた個性豊かな食材を、学校法人 服部学園 服部栄養専門学校理事長・校長、服部幸應さんが案内します。
連載:未来に届けたい日本の食材
黄色いレモンは瀬戸内・広島が生産量日本一ですが、鮮やかなグリーン色に輝く青レモンは、高知・山北産がよく知られています。香りが素晴らしく、酸味も爽やか。初夏から初冬まで長く、色よく楽しめます。温室育ちの青レモンを手がけて15 年の別役次雄(べっちゃく・つぎお)さんに、温室をご案内いただきました。
最初は、ハウスミカンからスタートしたがやけど、収益性が厳しいもんで、20年前に一部青柚子に切り換えたの。そのあと、しばらくしてから青レモンがええ言うきに、興味をもっとったのよ。そしたら、「まあ、植えちょきや。勉強はあとからしいや」とすすめられて。15年ぐらい前に、ハウスミカンの補完的な、ま、いうたら、飲み会の足しにでもなったらええか、ぐらいの気持ちで植えてみたのよ。そしたら、何と塩レモンブームで国産レモンが注目されだして。趣味みたいな気楽な気分から一変、レモンも一生懸命やることになったんよ。レモンはなんちゅうても広島がパイオニアで技術レベルが高いきに、すぐに勉強に行きました。なかなか、ホントのところは教えてもらえんかったけど(笑)。
最初は、ハウスミカンからスタートしたがやけど、収益性が厳しいもんで、20年前に一部青柚子に切り換えたの。そのあと、しばらくしてから青レモンがええ言うきに、興味をもっとったのよ。そしたら、「まあ、植えちょきや。勉強はあとからしいや」とすすめられて。15年ぐらい前に、ハウスミカンの補完的な、ま、いうたら、飲み会の足しにでもなったらええか、ぐらいの気持ちで植えてみたのよ。そしたら、何と塩レモンブームで国産レモンが注目されだして。趣味みたいな気楽な気分から一変、レモンも一生懸命やることになったんよ。レモンはなんちゅうても広島がパイオニアで技術レベルが高いきに、すぐに勉強に行きました。なかなか、ホントのところは教えてもらえんかったけど(笑)。
この青レモン、触っただけでもええ香りがするでしょ。不思議なもんで、黄色くなるまでおいといたら、この香りは消えてしまうの。黄色くしてから出荷する露地レモンはリスボン種、ハウスに多いのはユーレカ種。品種の違いもあるんよ。
柑橘はすべて、カラタチに接ぎ木するところから始まる。ほら、うちのもカラタチの上にのっちゅうでしょ。レモン栽培はミカンより体力的にも精神的にも負担が少のうて、安心感がある。害虫もあんまりおらんし、病気も少ない。成長が早くて、3年で実がつく。ミカンは8年かかるだけじゃのうて、糖度を上げんといかんし、その労力が歳をとるときつうなる。油断はいかんけど、ありがたいし、自分の歳に合った作物やと思うね。
柑橘はすべて、カラタチに接ぎ木するところから始まる。ほら、うちのもカラタチの上にのっちゅうでしょ。レモン栽培はミカンより体力的にも精神的にも負担が少のうて、安心感がある。害虫もあんまりおらんし、病気も少ない。成長が早くて、3年で実がつく。ミカンは8年かかるだけじゃのうて、糖度を上げんといかんし、その労力が歳をとるときつうなる。油断はいかんけど、ありがたいし、自分の歳に合った作物やと思うね。
11月頃、温室にビニールを張って、12月に入って寒くなったら夜は10〜13℃で暖房、外気温が上がる3月ぐらいまでや。昼は20〜25℃になるよう窓を開閉する。レモンの花は暮れ頃から咲くんやけんど、ものすごうたくさん咲いて、実も2月からつき始める。花の下に小さな緑の玉がついとるでしょう。それが実なんよ。本当はもっと上手に育てて、グレープフルーツみたいにたわわに実らせるんが理想やけど、まだ勉強が足りとらん。
収穫は6月から。表面がつるっとしてきたら、果汁がいっぱい出るようになった合図。収穫した実は1日おいて少し乾かしてから、箱詰めにして出荷や。レモンの畑は山北で1ヘクタール。高知県全域では3ヘクタールぐらいあるそうや。
レモンは葉っぱもいい香りがするき、何かできんかいうて、話しちゅうところや。青レモンの可能性、まだまだ広がっていきそうや。何か、楽しみやなぁ。
レモンは葉っぱもいい香りがするき、何かできんかいうて、話しちゅうところや。青レモンの可能性、まだまだ広がっていきそうや。何か、楽しみやなぁ。
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