日本 [石川]
歴史ある加賀のフルーツ
在来種を守ることと新品種への挑戦が未来をつくる
2016.06.25
神事にも使用される由緒ある柿
「紋平柿」(カキ)
大玉で色艶のいい「紋平柿(もんべいがき)」。石川県かほく市(旧高松町)の「門平さ」と呼ばれる家にあった、樹齢100年をはるかに超える柿の木になっていたものが起源と言われています。収穫した柿を加賀藩主の前田候に献上したところ、家紋の紋の一字を賜り、それをきっかけに「紋平柿」と呼ばれるようになったようです。
産地では、今でも1月中旬に故意に柿の木に傷をつけ、柿の豊作を祈る「柿の木いため」という神事が行われています。
渋柿なので脱渋する必要があり、昔は樽に入れて風呂の残り湯に浸けて渋を抜いたことも!
果重は250~300gと重め。独特の甘味を持ち、果汁が多く、弾力のある柔らかな歯ざわりが特徴です。地元では、なますやキムチ、漬物の隠し味としても使われています。
200年の歴史の集大成
「加賀しずく」(日本ナシ)
石川県の日本ナシ栽培の歴史は18世紀に遡り、京都府・山城、神奈川県・川崎等と並んで古くからの産地のひとつです。
「加賀しずく」は、平成26年に品種登録出願された新品種。歴史ある加賀百万石の地で作出されたということと、一口齧った際に豊醇な果汁がジュワッと滴ることから命名されました。その名は、一般公募数で4,149点の候補の中から選らばれた優秀作。地元にも愛される、新しい石川名物のひとつとなりそうです。