America [Boston]
認知症患者の“小さな声”に寄り添うサービス
2019.01.10
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「パープルテーブル・リザベーションズ」は、アルツハイマー等の認知症患者に対応できる飲食店を検索予約できるウェブサイト。マサチューセッツ州でレストランを営むジェニファー・アパジディス氏が、2017年春から開発運営している。
きっかけは、食べ歩きの好きな母親が50代で認知症を発症してから亡くなるまで、外食がストレスとなり楽しみを奪われたこと。また、PTSD等の見た目でわからぬ障害を持つ客をもてなすには、来店前に彼らのニーズや希望を把握すべきと気づいたことだ。
サイト加盟店は、認知症や自閉症支援団体の指導に基づくマニュアルとトレーニングを受け、パープルテーブル予約客には研修済みスタッフを担当させ、スピーカーから遠い・照明を調節できるエリアの席を希望に応じて用意する。現在加盟店は10店舗ほどとまだ少ないが、全米からの問い合わせ数は増加中。さらに加盟店にとってこのサイト利用者の8割は新規客というデータから、“人に優しい”新しいマーケティングツールとして注目度大だ。
(『料理通信』2018年12月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Purple Table Reservations
http://purpletables.com (無料アプリ有)
Instagram: @purpletables (#PurpleTables #ASeatForEveryone)
text by Kuniko Yasutake
photograph by Purple Table Reservations
JOURNAL / 世界の食トレンド
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