Belgium [Bruxelles]
毎年2月は“脱アルコール”月間”
2020.03.09
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2013年のベルギー健康評議会の統計によると、国民の82%は飲酒の習慣があり、飲酒による死亡率はタバコに続き第2位に上る。
そこで厚生大臣は2017年、未成年者へのアルコール販売禁止条例強化と販売した業者への罰金をこれまでの2倍にした。これを受けて、ベルギーがん対策財団は、休肝日のメリットを市民に訴える手段として、毎年2月の1カ月間をアルコール抜きで過ごすキャンペーン「ミネラルツアー」を2017年に開始。有志が財団に登録してグループを作り、SNSを通じてお互いに励ましあうシステムで、2019年には6万1000人が参加登録した。
外食産業が大きく関与したことも市民の意識改善を後押し。レストランやカフェではアルコール飲料に代わる独自のメニューを提案するようになり、車で訪れるお客は“BOB(ボブ=アルコールを飲まない人)”をあらかじめ決める習慣が定着した。病院や会社、スポーツクラブも独自のチームを作って参加し、国を挙げて脱アルコールへの関心を高める月間となっている。
(『料理通信』2020年2月号/「ワールドトピックス」より)
◎ TOURNÉE MINÉRALE
BOB(Bewust Onbeschonken Bestuurder)とは“酔っていない運転手”を意味し、1995年、政府が掲げた飲酒による交通事故防止キャンペーン。
www.tourneeminerale.be/fr/
text by Maki Miyazaki
JOURNAL / 世界の食トレンド
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