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JOURNAL / 世界の食トレンド

England[London]プラントベースのインド料理をリユースできる容器で。英国で注目のデリバリー

2023.02.16

プラントベースのインド料理をリユースできる容器で。英国で注目のデリバリー

text by Yuka Hasegawa

英国のフードデリバリーサービス人気ナンバーワンの座を、中国料理と二分するインド料理。数あるデリバリー会社の中で注目を集めているのが「ダッバー・ドロップ(Dabba Drop)」だ。

「デリバリーのカレーは油っぽいし、野菜も少ない、その上食べた後は膨大なプラスチック容器のごみが出る。私とビジネスパートナーはこの状況にうんざりしていて、それならば自分たちの納得いくインド料理を提供しようと思ったのが、ビジネスを立ち上げたきっかけでした」と語る創始者のアンシュー・アフージャさん。

レネーさん(左)アンシュー(右)さん

(写真)同い年の子供を持つ母として知り合ったママ友、レネーさん(左)と共に、2018年「ダッバー・ドロップ」を立ち上げたアンシュー(右)さん。

アンシューさんの出身地インド・ムンバイでは、“ダッバーワーラ”という弁当配達人が、各家庭から集めた手製の弁当を、昼までにそれぞれの職場に届ける伝統的なシステムが確立されている。これをヒントに、「ダッバー・ドロップ」では、プラントベースのインド料理を、繰り返し使えるステンレス容器「ダッバー」で宅配する。

サブスクリプション制で、火曜日までにオンラインで注文を受け付け、リユースできる容器で木曜日または金曜日に各家庭にデリバリーする。事前予約システムが定着するまでには少し時間が必要だったが、「無駄な調理をなくして食糧廃棄物がゼロとなること、プラスチックを使わないという私たちのポリシーに、多くの人が賛同してくれた」という。

デリバリーは電動自転車

(写真)デリバリーは電動自転車などを使う。現在の配達エリアは東、北東ロンドンに限られているが、2023年にはロンドン中に広げる計画だ。

人気の秘訣は、何といってもクオリティの高いヘルシーな料理のラインアップだ。新鮮な英国産の野菜、レンズ豆などをふんだんに使ったカラフルなヴィーガン料理、またムンバイ、カシミール、ゴア、デリーなど、インドの地方料理を週替わりで提供し、契約者を飽きさせない楽しい工夫でも定評がある。

2018年の創業以来、契約者数は順調に伸び、現在では1000人弱。最近行ったクラウドファンディングも大きな成功を収め、2023年には契約者倍増、配達エリアの大規模拡大が見込まれている。

(写真トップ)メニューはアンシューさんの家に代々伝わる秘伝のレシピで、地方の知られざるインド料理を提供。インド中南部のハイデラバード地方のピーナッツカレー、子供向けのダルカレーなども人気だ。

料理は180℃のオーブンで30~40分温めることが推奨

(写真)料理は180℃のオーブンで30~40分温めることが推奨されている。電子レンジを使う場合はレンジ対応容器に移して。使用済みダッバーは、次のデリバリーの際に回収され、リユースされる。



◎Dabba Drop
2人用30ポンド サイドメニューあり
1週間毎、2週間毎などデリバリーオプションあり
https://dabbadrop.co.uk/

*1ポンド=160円(2023年1月時点)

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