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JOURNAL / 世界の食トレンド

空港の待ち時間に北欧ヴィンテージをゲット!循環型経済を体感できるカフェ併設の古着店

Finland[Helsinki]

2024.07.11

空港の待ち時間に北欧ヴィンテージをゲット!循環型経済を体感できるカフェ併設の古着店

text by Asaki Abumi / photographs by Relove second hand & Café
(写真)北欧全体では、ヴィンテージファッションの市場が若者の世代を中心に人気を拡大している。環境にもお財布にも優しい、新時代のライフスタイルとも言えるだろう。「リラブ」の強みは、店内に入った瞬間に感じる、フェミニンでおしゃれな世界観だ。マリメッコなどの北欧ブランドが豊富なのも嬉しい。

空港で古着を売る。そんな新しい発想がフィンランドで実現している。ヘルシンキ空港に2023年8月オープンした「リラブ(Relove)」では、センスのよい古着のセレクションだけではなく、ベジタリアンフードを提供するパリスタイルのカフェが併設されている。キャンディカラーの斬新なインテリアデザインは高く評価され、利用者は空港で持続可能な買い物ができることに喜びを感じるようになった。リラブでゆっくりとした時間を過ごすために、空港に前よりも余裕を持って到着しようとする人も増えたという。


2016年に首都ヘルシンキに初店舗をオープンして以来、事業拡大は続き、現在ヘルシンキ空港を含め国内に5店舗を展開。
(写真)2016年に首都ヘルシンキに初店舗をオープンして以来、事業拡大は続き、現在ヘルシンキ空港を含め国内に5店舗を展開。フィンランド第二の都市タンペレにも1店舗を構え、24年夏には2号店がオープン予定だ。

「私たちのミッションは循環型経済の楽しさを広め、中古品の売買を、楽で美しく、そして何よりもホリスティックな体験にすること。私たちはパイオニアであることを信条としているので、世界初の空港の古着屋として、トレンドを牽引できるのは光栄なことです」と取材で答えたのは、マーケティング・営業部長のヴェラ・アラディンさんだ。

環境保全のためにサステナブルな移動方法を模索する北欧諸国では、空港や飛行機の利用とCO2排出量の増加は、切り離すことができない耳に痛い事実として議論されてきた。「空路を選ぶ」というライフスタイルが改めて問われる中、同店のオープンは利用者にその埋め合わせをする機会を提供し、他国の空港でも検討の余地がある良い前例となるだろう。

ヘルシンキ空港店は毎日営業。
(写真)ヘルシンキ空港店は毎日営業。夏期の営業時間は、カフェ朝4から夜10時まで、中古ショップは朝5時から夜9時まで。
カフェではプラントベースの朝食やランチ、手作りのケーキやペストリーなどを提供。
(写真)カフェではプラントベースの朝食やランチ、手作りのケーキやペストリーなどを提供。ヴィーガン対応やグルテンフリーのオプションも豊富。


◎Relove Second hand & Café
https://en.relove.fi/

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